
マイホーム購入の際に気になるのが「住宅ローン」についてです。住宅ローンの月々の返済額等は、エクセルを使用して自分で計算することもできますが、効率的ではありません。高精度なシミュレーションを利用した方が安心です。
fa-check-circle この記事のポイント
- 住宅ローンシミュレーションの使い方が分かる
- 住宅ローン控除・借り換え・繰り上げ返済の仕組みが分かる
- 住宅ローンの審査
毎月の返済額はいくらになるのか・金利はどう計算する?審査で重要なポイントは?といった疑問にお答えしていきます。

住宅ローンの種類①:公的ローン
公的ローンは、名前の通り地方自治体が主に行っている融資の種類です。住宅ローンの中では民間ローンよりも歴史が深いことが特徴です。
1財形融資
財形貯蓄を1年以上継続かつ貯金残高が50万円以上受けられる融資の種類です。融資額は最高4000万円までで、財形貯蓄残高の10倍以内とされています。金利は5年ごとに見直す「5年固定金利型」を採用しています。
2自治体融資
都道府県や市町村といった地方自治体が融資するものを「自治体融資」といいます。ただし、この融資を行っている自治体は限りがあります。
主に融資を希望する人の年収や勤務状況・居住情報といった条件から審査をします。
住宅ローンの種類②:民間ローン
民間ローンは大手銀行・地方銀行のほかに、生命保険会社などの民間企業が行っている住宅ローンです。
1提携ローン
提携ローンとは、金融機関と不動産会社などはじめ、他の企業と提携をして行っている融資の種類です。物件の審査がすでに住んでいるものを扱うので、申込者の条件を審査することで手続きを進めます。
審査内容が少ないことから通常の住宅ローンよりもスピーディに終わる傾向にあります。さらに独自の優遇金利制度も設けているところが多いのが特徴です。
2非提携ローン
非提携ローンは提携ローン以外のことを指し、ローン申込者が自分で銀行や労金・農協といった金融機関に申し込んで審査を受けてから融資を受ける仕組みです。
提携ローンよりも自分の希望する条件に合うローンを見つけられることが多く、手数料も発生しない・または少額なのでコストを抑えたローンが組めます。
住宅ローン手続きの流れ
1事前審査
事前審査では、ローン申込者の返済能力として「属性」のほかに、返済比率・住宅ローン以外のローン状況・物件の担保などを見て総合的に判断します。
必要書類 | |
本人確認書類 | ・運転免許証 ・パスポート ・個人番号カードなどの顔写真入りで住所・氏名・生年月日等の記載があるもの ・健康保険証 など |
収入確認書類 | ・(給与所得者)前年の源泉徴収票や住民税決定通知書・課税証明書など ・(個人事業主)確定申告書や納税証明書など ・(法人代表者)決算報告書など |
物件確認書類 | ・購入予定物件の販売チラシ ・資金計画表 ・間取図 など |
なお事前審査では以上の書類を必要とするので、事前に漏れがないように準備しておきましょう。
2申込・本審査
事前審査を通過して、物件の売買契約を済ませたら住宅ローンの申し込みに移ります。
必要書類 | |
本人確認書類 | ・運転免許証 ・健康保険証 ・住民票(*1) ・パスポート など |
収入確認書類 | ・源泉徴収票 ・住民税決定通知書 ・納税証明書その1、その2 ・確定申告書 など |
物件確認書類(*2) | ・売買契約書 ・重要事項説明書 ・工事請負契約書 ・建築確認申請書 ・建築確認済証 ・検査済証 ・登記事項証明書 ・公図 ・地積測量図 ・間取図 など |
*1:世帯全員のもので続柄の記載があり本籍地やマイナンバーの記載がないもの
*2:購入を希望する物件の種類によって提出する書類が違います。
基本的に事前審査の時に申告した内容と同じであれば、本審査で落ちるということはあまりないと考えて良いです。
3金銭消費貸借契約
本審査も無事通過したらローンの「金銭消費貸借契約」を結びます。ここでは借入先とローンの借入期間・金利などについて決めていきます。
4融資開始
全ての手続きが完了すると融資が開始されます。決済当日は、融資用の口座に借入金が振り込まれます。そのまま、このお金は物件の売主に送金され、着金が確認されれば物件の引き渡しになります。
住宅ローンシミュレーションとは?
自分が住宅ローンを申し込む際には一体いくらまで借入できるのか・毎月の返済額はどれくらいになるのかは気になるものです。
ネット上では様々な会社やサイトのシミュレーションが無料で活用できます。どの会社から住宅ローンを借りるかはシミュレーションを使って比較することをおすすめします。
毎月の返済額から借入金を算出
住宅ローンシミュレーションは様々な条件で算出が出来るようになっています。「毎月の家賃と同じくらいの返済額で借りられる住宅ローンを計算したい」といった方におすすめです。
- 毎月の返済希望額
- ボーナス分の返済希望額
- 金利
- 借入期間
などの項目を入力すると、毎月の返済額の目安が瞬時に算出されます。
年収から借入額を算出
住宅ローンの借入可能額は年収によって決まります。シミュレーションを使う場合は、現時点の収入でいくらまで借入可能かが分かります。
- 毎月の返済希望額
- ボーナス分の返済希望額
- 金利
- 借入期間
- 他のローン状況
金利プラン同士を比較する
各ローン会社には、複数の金利プランを用意していることが多いです。プランによっては借りる金額が同じでも、返済期間や返済方法などによって返済額が異なることがあります。
繰り上げ返済もシミュレーションで簡単算出!
現在住宅ローンを借りている人の中で「繰り上げ返済」を考えている人もぜひシミュレーションを活用しましょう。
- 毎月の返済額
- 金利
- ボーナス1回あたりの返済額
- 最終決済月
- 繰り上げ返済のタイミング
- 繰り上げ返済額
などの項目を入力すると、繰り上げ返済しない場合と繰り上げ返済をした場合の返済期間と総返済額が表示されます。
借り換えするとどれくらいお得になる?
借り換え返済は、新しいローンを組みなおし、返済中のローンを一括で返済する方法のことを指します。返済中の金利よりも低い金利に変更するので、当初の総返済額よりも金利の差額分安く抑えられます。
- 借入金額
- 借入期間
- 金利タイプ
- ボーナス返済の希望
などの項目を入力することで、希望する金利で借り換えた際にどれくらい安くなるかを算出できます。
住宅ローンシミュレーションを使って控除計算をする
fa-check-circle 住宅ローン控除とは?
住宅ローン控除制度とは、一定の条件をクリアすれば所得税から控除が受けられるという制度。
住宅ローン控除を受けるには一定の条件を満たす必要があります。
新規住宅を購入した場合の住宅ローン控除の条件は?
- 自分が住む住宅であること
- 新しく購入した場合は、引き渡し日から半年以内住むこと
- 控除を受ける年の合計所得金額が3,000万円を超えないこと
- 住宅の床面積が50平方m以上であること
- 床面積の半分以上が居住として利用すること
- 10年以上の住宅ローンを組んでいること
- 引き渡した年とその前後2年ずつ合計5年の間に「長期譲渡所得の課税の特例」などを受けていないこと
なお、床面積の産出方法は売買契約書と登記上で異なることがあるので、どちらの書類も必ず事前にチェックしましょう。
中古住宅を購入した場合の住宅ローン控除の条件は?
- 「住宅性能評価書」を取得していること(耐震等級1以上)
- 「既存住宅売買瑕疵保険」に加入していること
- 「耐震基準適合証明書」を取得していること
- 築年数が一定の年数以下(木造:20年以下 耐火建築物:25年以下)
中古住宅は新築とは異なり、現在の耐震基準をクリアしていない可能性があるので、控除条件は耐震基準をみたしているかが重要なポイントになります。
住宅ローン審査で気を付けるポイント
事前審査を受ける際には審査の申し込みを物件購入の申し込みとほぼ同時に行います。事前審査を受けることで、「物件が買えることになったけど借入が出来なった」とならずに済みます。
1属性
属性とは住宅ローンの申込者の返済能力を判断するために必要な情報の事です。
- 年収
- 年齢
- 勤務先
- 勤続年数
- 住居状況
- 家族構成など
などの情報をローン会社が独自の判断基準で貸付できるかを判断します。色々な情報をトータルにみて判断するので、1つの項目で不利だと思っても必ず審査に落ちるとは限りません。
一般的に、派遣社員・契約社員よりも正社員の方が返済能力が高いと判断されることが多いです。しかし、正社員でも勤続年数が短いと収入の安定性で疑問を持たれることもあります。
2返済比率
fa-check-circle 返済比率とは?
年収に対しての返済額の割合
返済比率は上限が決まっていて、多くの金融機関では「25~35%以内」となっています。この上限を超えてしまうと、「年収に対して過剰な借入金額を希望している」と判断されて審査通過が難しくなります。
3ローン状況
住宅ローンを審査する場合は、現在借入ているローンの状況も判断材料に含まれます。自動車ローンや教育ローン・カードローンといったローン関係は全てです。
すでにローンを利用しているから必ず住宅ローンは借りられないとは限らないですが、他に借入があると「他のローン返済で住宅ローン返済が難しいのではないか」と判断されることもあります。
その場合は住宅ローンの融資額が下げられることがあるので注意しましょう。なお、忘れがちですが「クレジットカードのキャッシング」もローン審査で見られます。
4物件の担保価値
通常ローンの審査では担保を用意しなければなりません。住宅ローンの審査においては、購入を希望している物件を担保として融資を行う仕組みになっています。
住宅ローン審査では購入物件が融資に値するくらいの担保になるかも重要な項目の1つです。
まとめ
住宅ローンのシミュレーションについて解説しました。
fa-check-circle 住宅ローンシミュレーションについて
- 住宅ローンシミュレーションは複数社・プランなどで比較がおすすめ
- 住宅ローン控除・借り換え・繰り上げ返済の条件
住宅ローンシミュレーションは、借入期間・金利・毎月の返済額・借入額など様々な条件でも比較・算出ができるので大変便利です。
住宅購入が済んでからは、繰り上げ返済や借り換えでもシミュレーションが活躍するので、少しでもお得に住宅ローンを返済する際にお役立て下さい。