借金

親や兄弟姉妹、配偶者が借金に苦しんでいると「家族の借金は自分にも返済責務があるのではないか」と感じる人もいるかもしれません。しかし家族であっても、借金の肩代わりは不要です。

ただ「少しでも家族の力になりたい」と借金を肩代わりした場合は、税金が発生してしまうため注意が必要です。

そこで今回は、借金の肩代わりについて、親子間・兄弟間・夫婦間の3つの観点から、さまざまな注意点を解説していきます。

家族から借金の肩代わりを頼まれて悩んでいる人などは、ぜひ参考にしてみてください。
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家族の借金を肩代わりすべき3つのケース

お金

原則、家族の借金を肩代わりする義務はありません。

しかし、いくつか例外があり、家族の借金を肩代わりしなければならないケースも存在します。

ここでは、家族の借金を肩代わりしなければならない3つのケースについて説明していきます。

ケース1:保証人・連帯保証人になっている場合

手続き

家族が借金をする際に、保証人・連帯保証人になっている場合、家族に滞納が続いた時に返済責務が発生し、借金を肩代わりしなければなりません。

保証人・連帯保証人は、どちらも債務者の代わりになって肩代わりをするという点では同じです。しかし、保証人・連帯保証人では、以下のように責任の重さが異なります。

民法第446条では、保証人とは債務者が支払えなくなった場合に、支払い義務を負うものだと定義されています。
※https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=129AC0000000089

それに対し、連帯保証人とは、債務者と同等の支払い義務を負うものです。

CHECK
つまり、連帯保証人は債務者本人と同じ責任を負っているのです。

 

言い換えると、債務者の支払いに問題が生じた場合、初めて支払い義務が発生するのが保証人です。

そして、債務者の返済能力に関わらず、請求されると返済しなければならないのが連帯保証人であると言えます。

例えば
もしもあなたが家族の保証人になっていた場合、家族が返済できなくなれば借金を肩代わりしなければなりません。連帯保証人になっていた場合は、家族が返済できる状態だとしても、債権者から請求されれば肩代わりする責任があるのです。

なお、以下のような場合に、連帯保証人を頼まれる可能性があります。

    • 家族が住宅ローンを組む場合
    • 家族の事業で多額の借入をする場合
    • 家族が賃貸物件を契約する場合

軽い気持ちで承諾せず、きちんと責任の重さを理解した上でサインをしましょう。

ケース2:家族の名義で親や兄弟が借金をした場合

お金

法律では、名義人に支払い義務が発生します。よって、親や兄弟姉妹があなたの名義で借金をした場合や家族に名義を貸した場合も、借金の肩代わりをする必要があります。

WARNING
親があなたの実印を使って契約を結んだ場合も、表見代理と見なされあなたに支払い義務が発生する可能性があります。
表見代理とは?
表見代理とは、本来は他人に預けることのない大切な実印を用いていることから、親があなたの代理人として契約を結んだとして契約が成立することです。

保管場所を知らないはずの実印を、親が勝手に持ち出して借入をした場合は、無権代理といってあなたに返済責務はありません。

ただし、あなたが無権代理を証明することは難しく、場合によっては裁判に発展することもあります。

ケース3:遺産相続をした場合

人

遺産相続と聞くと、住宅や土地、預貯金などの財産をイメージする人が多いでしょう。

遺産相続では、借金のような負の遺産も同じように相続します。

CHECK
親の遺産を複数の兄弟姉妹で相続する場合も、法定相続分の割合に従ってそれぞれで借金を相続し、返済責務を負います。

相続しない2つの方法

亡くなった家族の借金を相続するのを避けるためには、以下2つの方法があります。

方法1

相続放棄

亡くなった家族の遺産、を一切相続しない方法です。相続を放棄すれば、初めから相続人ではなかったと見なされるため、借金を肩代わりする必要はありません。

WARNING
相続放棄をすると、土地や預貯金など価値のある正の財産も、一切相続できません。特に、負の財産よりも正の財産の方が多い場合は、慎重に考えてから放棄するかどうか決断しましょう。

 

方法2

限定承認

相続する正の遺産の範囲内で、借金を相続する方法です。正の遺産よりも負の遺産が多かった場合は、注意が必要です。

借金の総額を知らないまま相続してしまえば、受け継いだ正の遺産だけでは、返済をまかなうことができません。

限定承認を行えば、正の財産を超える額の借金は返済せずに済むのです。よって、限定承認は家族の借金総額が分からない場合に、有効な方法だと言えます。

 

借金を代わりしてくれる人が家族にいる場合の注意点

借金

金額によっては、親族に借金返済を肩代わりしてくれる人がいるかもしれません。

しかし、借金を肩代わりしてもらうと、原則的に贈与税が発生するため注意が必要です。

例えば
家族があなたの代わりにローンなどを一括返済した場合、肩代わりした金額に対して贈与税が発生します。

たとえ良心からの行いであっても、法律の観点から見ると「家族があなたにお金を贈与し、そのお金であなたが借金を返済した」と見なされるため、贈与に該当するのです。

贈与税の税率は、金額により異なります。国税庁の公式サイトには贈与税の一覧が掲載されているため、気になる人は確認してみてください。
※参照:https://www.nta.go.jp/m/taxanswer/4408.htm

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贈与税を発生させないための方法とは

税金

贈与税を発生させずに借金を肩代わりしてもらうためには、お金を贈与するのではなく貸付という方法を取ると良いでしょう。

例えば
あなたが抱えている100万円の借金を、両親が肩代わりしてくれると仮定しましょう。両親が100万円を支払うのではなく、あなたが両親から100万円を借りたという形を取ります。

つまり、借金の完済後は両親に100万円を返済していくのです。

返済が滞った際に、金融業者から100万円を借りる代わりに、両親から借りるとイメージすれば分かりやすいでしょう。

WARNING
お金の貸付に見せかけて実際は贈与をしている人もいますが、これはれっきとした脱税であり犯罪行為です。
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貸し借りの際は必ず契約書を残そう

契約書

上記で解説したように、貸付という方法を取れば、あなたの借金を家族が肩代わりしてくれたとしても贈与税は発生しません。

ところが、貸付であるという証拠を残さずにお金のやり取りをしていれば、税務署から「これは贈与ではないか」と指摘を受ける可能性があります。

したがって、相手が家族であっても、お金の貸し借りをする際には契約書を作成し、客観的に状況が分かるような証拠を残しておきましょう。

CHECK
契約書はパソコンで作成するのが一般的ですが、手書きでも問題ありません。手書きで作成する場合は、後から修正ができないよう、必ずボールペンや万年筆などを使用して下さい。

契約書に記載する内容

契約書には、以下の内容を記載しましょう。

    • 借主の名前
    • 借主の住所・連絡先
    • 借りた金額
    • 借りた日付
    • 返済方法
    • 完済期日
    • 返済が遅れた場合の遅延損害金

なお、家族間の貸し借りでは利息を付けなくても問題ありません。

利息を付ける場合は、以下の利息制限法の上限金利を参考に、家族でよく話し合って決めると良いでしょう。

借入金額 上限金利
10万円未満 年20%
10万円以上100万円未満 年18%
100万円以上 年15%

 

借金があっても離婚したくない!せな結婚生活を送るために

結婚

夫または妻の借金が原因で、離婚に至るケースは珍しくありません。

借金を隠して結婚しても、相手に知られずに返済を続けるためには神経を使わなければならず、精神的にも負担が大きいでしょう。

WARNING
万が一、返済が滞った際には債権者から催促の連絡が来たり、裁判に発展したりするケースもあります。

よって、いつまでも配偶者に隠し続けるのは難しいと言えるでしょう。

ここでは、借金があっても離婚せずに幸せな結婚生活を送るために、気を付けておきたいポイントについてご紹介します。

夫婦関係でも借金の返済責務はない

夫婦

「夫婦なのだから、夫の借金は妻が肩代わりしなければ」「妻の借金は、夫である自分が一緒に返済しなければ」などと思う人もいるかもしれません。

しかし、たとえ夫婦間であっても借金を肩代わりする必要はありません

CHECK
闇金や悪質な金融業者から借入をしている場合、夫婦であることを理由に借金の肩代わりを要求されることがあります。

しかし、法律上は配偶者だからと言って借金を肩代わりする必要はありません。

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夫婦間で借金の返済責務が発生する場合

夫婦

基本的には借金の返済責務はありませんが、以下の場合は例外となるため注意が必要です。

    • 保証人・連帯保証人になっている場合
    • 妻(夫)の名義で夫(妻)が借金をした場合
    • 遺産相続をした場合
    • 借金の目的が「日常家事債務」の場合

日常家事債務とは、家賃や水道光熱費・生活必需品・医療費などが該当します。

CHECK
夫婦がともに生活をするための支出を目的として借金をした場合は、お互いに支払い義務が発生するのです。
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借金を肩代わりする際は贈与税が発生する

計算

配偶者として「夫や妻の借金を肩代わりしてあげたい」と思うでしょう。

しかし肩代わりする場合は、夫(妻)が相手にお金を贈与したと見なされるため、前述したように贈与税が発生します。

よって、贈与税を発生させないためには貸付を選択しましょう。
CHECK
第三者から見ても貸付であることが明確に分かるよう、夫婦間であっても契約書を作成しておくのがおすすめです。

配偶者の借金が発覚した時に考えたい「債務整理」とは

税金

配偶者に借金が発覚したら、まず頭によぎるのが「離婚」かもしれません。しかし、できれば離婚をせずに解決したいと考える人も多いことでしょう。

CHECK
離婚せずに借金問題を解決するためには、債務整理がおすすめです。

債務整理には、主に以下の3つがあります。

任意整理 債権者との交渉によって返済総額や月々の返済額を減らしたり、分割回数を増やしたりして、返済の負担を軽減すること。
自己破産 破産法に基づき資産と負債を整理することで、残りの負債をゼロにする法的手続き。
個人再生 債権者との交渉によって負債を大幅に減額し、3~5年かけて分割返済を行う法的手続き。

節約をしたり仕事を増やしたりと、家計を管理しながら返済を続けることは負担がありますが、債務整理によって借金を減額できれば、返済の負担軽減にもなるでしょう。

よって、配偶者に借金が発覚した場合は、ぜひ債務整理も検討してみてください。

 

借金を代わりしてくれる会社とは

オフィス

借金をして返済に行き詰まり、誰にも頼ることができない場合「自分の代わりに借金を肩代わりしてくれる会社があったら良いのに……」と思いませんか?

そんな時に知っておきたいのが、代位弁済です。

代位弁済とは?
代位弁済とは、一定期間の借金返済ができない場合に、第三者である保証会社が債務者に代わって借金を返済してくれることを指します。

文字だけを見ると、保証会社が借金を肩代わりして返済してくれているようにも見えますが、もちろん肩代わりをしてくれるわけではありません。

CHECK
保証会社は、あくまでも債務者の代理として本来の債権者へ返済を行っているだけです。

つまり言い換えると、返済相手が債権者である金融業者から保証会社に移った、ということになります。

返済相手が保証会社に移ったからと言って、催促が止む訳ではありません。これまで債権者から催促されてきたように、保証会社からも同じように催促の連絡が来るようになります。

保証会社からの催促に応じない場合

dislike

保証会社からの催促に応じなかった場合は、ペナルティとして、財産を差し押さえられてしまうことがあります。

例えば
差し押さえの対象には、給与や預貯金・住宅・自宅などが挙げられます。

保証会社への返済のために借金をしたい場合

借金

保証会社はあくまでも代理で返済してくれるだけであるため、代位弁済後は保証会社に、借金の支払いをしなければなりません。

保証会社への返済も難しい場合、保証会社への返済のために借金をしてお金を用意しようと考える人がいるかもしれませんが、代位弁済が行われると信用情報に登録され、ブラックリストに載った状態となります。

WARNING
ブラックリストに載ると、信用情報の登録期間である約5年間は、クレジットカードの新規作成やローンの申し込みなどができなくなってしまいます。

つまり、保証会社への返済のために借金をすることは不可能なのです。

中には「ブラックリストに載っていても借入ができる」などと謳っている金融業者もあるかもしれませんが、これらは違法な闇金である可能性が高いため、ご注意ください。

 

借金の肩代わりによるラブルは弁護士への相談がおすすめ

弁護士

配偶者などと借金の肩代わりでトラブルになりそうな場合は、弁護士に相談するのがおすすめです。

家族から相談を持ち掛けられることがあっても、知識不足の状態では本来は支払い義務がないにも関わらず、肩代わりを承諾して不利益を被ってしまう恐れがあります。

WARNING
とは言え、返済を滞ったままにしておくのも、家族で使用する住宅や自動車が差し押さえの対象となる可能性があるため、注意が必要です。

よって、借金が発覚して返済の負担が大きいことが分かったら、できるだけ早い相談を心掛けましょう。

弁護士への相談には、以下のようなメリットがあります。
例えば
  • 債権者からの返済催促の連絡を止めることができる。
  • 複雑な手続きや作業を代行してもらえる。
  • 書類の準備や作成を代行してもらえる。
  • 裁判所とのやり取りを代行してもらえる。
  • 自分に合った債務整理についてアドバイスをもらえる。

無料相談を行っている弁護士事務所もあるため、いくつかを比較しながら、自分に合った弁護士事務所を探してみてください。

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まとめ

今回は借金の肩代わりについて、幅広く解説しました。原則的には家族の借金を肩代わりする必要はありませんが、返済責務が発生するケースもあります。

もしも家族間で借金を肩代わりする場合は、贈与税が発生します。贈与税を発生させないためには、税務署からの指摘を受けないよう、家族間であってもきちんと契約書を作成しておきましょう。

また、今回ご紹介したように、借金の肩代わりについて持ち掛けられたり、家族や自分自身が借金返済に悩んだりした場合は、早い段階で弁護士へ相談するのがおすすめです。

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※本記事はいかなる法的な助言や意見の提供をするものでもありません。ご心配なことがある方は、必ず弁護士に相談する等専門家のご支援を得ていただきますようお願いいたします。
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