自己破産の手続き方法は?申請費用・期間・流れを解説

自己破産について、正しく理解していますか?よく知らないまま「破産」というキーワードのイメージに恐怖を覚えている方が多くいらっしゃいます。

でも本当の自己破産は人生を壊滅に追い込むものではなく、人生を新しくやり直すための制度です。

この記事では、自己破産手続きの流れや費用など詳しく解説しています。正しく理解し、正しい判断に繋げてください。

自己破産とは?リットは何?

自己破産とは、一言でいうと「合法的に借金を帳消しにするための手続」です。

大きな借金を背負ってしまった人や、多重債務に苦しむ人に、ゼロからやりなおす機会を与えるための制度となっています。

自己破産のメリット

自己破産の大きなメリットは、免責許可決定が確定すれば借金をゼロにできる点です。

消費者金融から借り入れた、いわゆる「借金」だけでなく、クレジットカードのショッピングやキャッシングを利用したことによりできた返済分や住宅ローン、カードローンなども含まれます。

CHECK
自分自身で使った借入れだけでなく、連帯保証人として引き受けることになった借入れ分も対象となります。

自己破産のメリット

自己破産のデメリットとしては、大きく分けて3つあります。多くの方にとっては、3つのデメリットよりも借金帳消しのメリットのほうが大きいと映ります。

ただし、仕事の都合などでデメリットの影響が大きく出てしまうため自己破産はしないほうが良い方もいますので、事前にチェックしておきましょう。

 

デメリット1

財産を没収される

自己破産に成功すると、借金がゼロになる代わりに一定の財産が処分されます

CHECK
しかし、財産には、価値が20万円以下のものは基本的に含まれません。身の回りの日用品などは取り上げられることなく、普通に使えます。

持ち家や車など、その時点で現金化したときに20万円を超えるようなものについては、自己破産の手続において処分され、現金化されて帳消しになる借金の貸付け側へ配当されます。

 

デメリット2

ブラックリストに載る

自己破産をした場合、信用情報に自己破産をした旨が載ります。このことを「ブラックリストに載る」という言い方をします。

WARNING
ブラックリストに載ると、それ以降はお金を借りることはもちろん、クレジットカード発行や住宅ローン、また携帯電話の分割購入などもできなくなることが考えられます。

なお、ブラックリストに載るのは未来永劫ずっとというわけではありません。自己破産から5〜10年経つと、信用情報にある自己破産の記録は消えるといわれています。記録が消えればまたカード発行やローン締結などもできるようになります。

 

デメリット3

就職できる仕事に一時的に制限が出る

自己破産をすると、仕事面で影響が出ます。自己破産をした人のことを「破産者」と呼びますが、破産者は次のような仕事に就くことができません

例えば
  • 士業の一部
  • 公務員の委員長・委員の一部
  • 会社の取締役・執行役員・監査役など
  • その他の一定の職業

このうち士業については、その仕事に就けないだけで資格そのものは残ります。また一定の職業については、お金・資産に関わる仕事や責任者・管理者と名の付く職業が多くなっています。

この制限はあくまで「一時的」です。破産者は一定の期間がたつと「復権」といって、破産者という扱いをいわば卒業する形になります。

自己破産の申請手続きの

自己破産には、大きく「同時廃止事件」と「管財事件」の2種類があります。どちらの場合に該当するかによって、手続きの流れの一部が変わってきます。
※同時廃止事件・管財事件の詳細な振分け基準は、裁判所により異なることがあります。

同時廃止の場合

持ち家やマイカーなど、時価20万円を超える財産を持たないような状態で自己破産に臨む場合は基本的にこちらの流れになります。管財事件と比べ、裁判所へ申し立てた後のステップが短くなっています。

STEP1:依頼

まずは弁護士へ依頼をするところから、自己破産の手続きは始まります(書類作成は司法書士にも依頼できます)。初回相談のその場で依頼となる場合もありますが、そうでない場合もあります。

STEP2:受任通知

弁護士は依頼を受けた段階で、貸付業者へ受任通知を送付します。

受任通知とは?
「弁護士を代理人として自己破産手続を始めます」と債権者、すなわち貸付業者へ知らせる意味を持ちます。

この通知を受け取った債務者は、それ以降の直接の返済の請求をストップしなければならないため、この段階で返済の督促に追われる生活からはいったん解放されることになります。

STEP3:資料収集

裁判所へ自己破産の申立てを行うにあたり、申立書を作成したり必要な書類を集めたりしていきます。

CHECK
「この人は借金の免除を決定するに値する」と裁判所が判断するような書類を準備する必要があり、質も量も高いものが要求されます。

STEP4:申立て

必要な書類が揃ったら、裁判所へ申立てを行います。裁判所では申立てを受けて、申立書の内容チェックや提出書類の確認を行っていきます。

WARNING
もし申立書の内容不備や資料不足があった場合には、裁判所より説明や提出を求められます。

STEP5:破産手続開始決定・同時廃止決定

申立書に不備がなく、必要書類が揃ったことが確認できると、裁判所は破産手続開始決定を出します。いわゆる「破産宣告」です。

同時廃止の場合、裁判所は破産手続開始決定に併せて同時廃止決定を出します。

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STEP6:免責許可決定

免責とは「借金の返済を免除します」ということ。免責許可決定の確定をもって自己破産の手続は終了となり、背負っていた借金を返済する義務は消滅したことになります。

破産手続き開始決定のタイミングで「破産者」となり、就ける職業に制限がかかりますが、免責許可決定によってその制約もなくなります

管財事件の場合

管財事件の場合、財産を現金化して債権者に分配するため同時廃止よりもステップが多くなります。

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STEP1:依頼~破産手続開始決定

弁護士への依頼から裁判所への申立て、裁判所による破産手続開始決定までは、同時廃止も管財事件も流れは同じです。

STEP5:破産管財人の選任

管財事件の場合、破産申立てを受けると裁判所は破産管財人の候補者を選びます。

破産管財人とは?
破産した人の財産を管理したり、現金化などの方法で処分して債権者間で分配したりする人のことで、破産した人や相手方の貸付業者と利害関係を持たない第三者の弁護士が担うことが多いです。

選ばれた候補者は、破産手続開始決定のタイミングで正式に破産管財人に選任されます。

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STEP6:調査

破産手続開始決定が出ると、いよいよ破産管財人を中心に財産の調査が始まります。

CHECK
なるべく多くの財産を現金化し、債権者(お金を貸している側)たちに分配することで、すこしでも返ってこなくなった分の穴埋めとなるようにしていきます。

といっても、破産手続に時間をかけすぎると破産した人の生活の再生に影響が出るため、スピードと正確さの両方を追及しつつ進められます。

STEP4:債権者集会

破産管財人を中心とした財産に関する調査ののち、債権者集会が開かれます。

ここでは、破産管財人から調査の報告がなされ、さらに財産処分により債権者に配当できるだけの収入があれば、その配当についても話合いが行われます。

債権者集会に出席するのは、破産者(債務者)・破産者の代理人弁護士、裁判官、破産管財人、債権者です。債権者は出席しないこともあります。

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STEP5:異時廃止 / 配当手続き

債権者集会をふまえ、債権者への配当が決まればその手続が行われます。また破産管財人を中心に調査を行ったものの、配当できるまでの財産がなかった場合はそのまま「異時廃止」として、破産手続が終了となります。

異時廃止とは?
「異時廃止」は「同時廃止」の対となる言葉です。財産を持たない自己破産はその処分が発生しないため、破産手続きの開始と終了が「同時」に行われます。「異時廃止」の場合は、破産手続の開始と終了が異時の場合(つまり同時でない)を指します。

異時廃止になる例としては、持ち家やマイカーなどを所有しているものの、購入から時間がたって価値が大幅に下がっている場合などがあげられます。

STEP6:免責許可決定

同時廃止の場合と同様に、破産手続が終了したこのタイミングで免責許可の決定がなされます。管財事件の場合は債権者集会にて、関係者間で免責許可を出すことの合意を得たうえでの決定となります。

自己破産手続きにかかる

自己破産をする場合、大きく分けて2つの費用がかかります。同時廃止による自己破産と管財事件による自己破産のどちらになるかで、かかる費用は変わってきます。

同時廃止の場合にかかる費用

同時廃止の費用相場は、合計で35~40万円ほどと考えておけば良いでしょう。

同時廃止の場合、破産管財人を選任したり債権者集会を開催したりする必要がないため管財事件よりも費用は安くなります。具体的な金額としては次のようなものが挙げられます。

内訳
  • 裁判所へ支払う費用・・・2万円程度
  • 弁護士費用・・・おおよそ15~30万円程度

管財事件の場合にかかる費用

管財事件の費用は、合計で50~75万円ほどと考えておきましょう。

管財事件の場合、破産管財人と債権者集会にかかる費用が発生します。弁護士も債権者集会出席など、同時廃止よりも対応することが増えるために弁護士費用が高くなります。具体的な金額としては次のようなものが挙げられます。

内訳
  • 裁判所へ支払う費用……22~25万円程度
  • 弁護士費用……おおよそ30~50万円程度

自己破産費用を安くおさえるコツ

自己破産費用をおさえるコツとしては、管財事件ではなく同時廃止での自己破産として手続きを進めることです。

といっても持ち家やマイカーなどの財産を持っているにも関わらず、それを隠して同時廃止とするのは後々問題となるのでお勧めできません。

例えば自己破産手続きの前に、そういった財産をあらかじめ処分し同時廃止の費用として充てる、ということもできるでしょう。また親族に頼んで財産を引き取ってもらえば、破産手続き後に手元に戻すことも可能かもしれません。

WARNING
自己破産手続き前の財産処分は、正しい方法でやらないと裁判所から問題視される可能性があります。弁護士に相談のうえ、正しい手続きをしましょう。

自己破産手続きにかかる

自己破産手続にかかる期間も、同時廃止と管財事件とで異なります。管財事件は破産管財人による調査や債権者集会などがあるため、その分だけ手続終了までに時間がかかります。

CHECK
同時廃止の場合には、自己破産申立てから免責許可決定までだいたい3か月~4か月ほどかかります。管財事件の場合、自己破産申し立てから免責許可決定までは短くて4か月程度です。

調査に時間がかかったり、債権者集会が複数回開かれたりした場合でも1年を超えることは稀です。だいたい半年程度とみておけば良いでしょう。

自己破産手続きにかかる期間というのはケースバイケースです。自己破産手続き前にも準備としてそれなりの期間がかかります。弁護士に、だいたいどのくらいのスケジュールで進むかをあらかじめ確認しておくと良いでしょう。

自己破産手続きに必要な

自己破産手続きにはたくさんの書類が必要です。借金をゼロにしてリスタートを認めても良いかどうかを裁判所が判断するため、多くの情報が必要となるからです。一般的な必要書類としては、次のようなものが挙げられます

    • 申立書(裁判所指定の書式に記入したもの)
    • 陳述書・報告書(自己破産申立てに至る理由や状況を記載したもの)
    • 債権者一覧
    • 住民票
    • 申立ての日前1か月間の収入および支出を記載した書面(家計簿等)
    • 給与明細
    • 源泉徴収票
    • 財産目録(裁判所指定の書式に記入)
    • 預金通帳の写し(1~2年分)
    • 退職金見込額証明書
    • 車の名義の証明書類(車所有の場合。車検証や自動車税申告書など)
    • 土地家屋の権利書(土地所有の場合)
    • 保険契約を証する書類(保険証書など)
    • 株式・FX等の取引明細
    • その他、裁判所より提出を求められた書類

上に挙げたもの以外に状況次第で別の書類提出を求められるケースもあります。多くが財産に関する書類となります。

自己破産手続きは自分できる?護士に相談が良い?

自己破産手続にあたって、弁護士へ相談するかどうか悩まれる方がいらっしゃいます。

弁護士に依頼すると費用がかかることから「自力で何とか…」と考えるのかと思いますが、弁護士への相談はぜひやって欲しいところです。

弁護士なしでも自己破産は可能

結論から述べると、自己破産手続は自力で全ての手続を行うことも可能です。

自己破産は、裁判所を介した手続です。本人が裁判所へ自己破産を申し立て、裁判所がそれを決定します。ですから、自己破産をするにあたっては必ずしも弁護士に依頼をする必要はありません。

それでも弁護士へは相談しよう

自力でも自己破産手続は可能ですが、法律の専門家でなければぜひ、弁護士へ相談の上で自己破産に臨むべきです。主な理由は3つあります。

 

理由1

返済をストップできる

弁護士に債務整理について依頼をすると、法律事務所(弁護士の事務所)から貸付業者に対し弁護士が代理人となって債務整理を開始する旨の通知が届きます。この通知を受け取った貸付業者は、直接の返済の請求をストップしなければなりません

各方面からの返済督促に辛い思いをしていた方にとっては、直接の請求がストップするだけでかなり気持ちに余裕ができます。

CHECK
返済が止まっている間に自己破産手続の準備をすることができます。また、これまで返済にあてていたお金を積み立てることで、弁護士に支払う費用を作ることもできます。

実際、債務整理をする方の多くは弁護士費用がすぐに準備できないため、この返済ストップ期間に積み立てています。

 

理由2

失敗するリスクを減らせる

自己破産は、申し立てれば必ず免責許可決定が下されるわけではありません。

WARNING
例えば返済できないことを分かっていながらギャンブルにお金を遣い続けた場合などは、裁判所の判断で自己破産を認められないケースがあります。

また、自己破産をしてこれから前向きに頑張っていこう、という意思や誠意が本人に見出せない場合も却下となるケースがあります。

自己破産手続を開始したにも関わらず、免責許可決定とならないと大変なことになります。弁護士という法律家にガイドしてもらいながら手続を行うことで、最悪のケースを防ぐことができるでしょう

 

理由3

別の解決策を提案してもらえる

自己破産は借金がゼロになるという大きなメリットがある一方で、デメリットもあります。自己破産以外にも債務を整理する方法はいくつかあり、自己破産のデメリットを回避した方法も存在します。

CHECK
債務整理の取扱実績がある弁護士であれば、それぞれの方法のメリット・デメリットは熟知しています。
本人の状況や環境を鑑みて、自己破産のデメリットを受け入れるよりも他の債務整理方法をとったほうが良い、という判断も可能です。
本人が「自己破産しかない」と誤った思い込みをしている場合に「それ以外にも良い方法がありますよ」と提案してもらえる。それが、弁護士に相談するメリットの一つです。

自己破産は司法書士でもできる?

自己破産を含め、債務整理をする際の専門家というと「弁護士」を挙げる方がほとんどです。ですが実は、司法書士も書類作成を代わりに行い債務整理のサポートをすることが可能です。

WARNING
ただし債務整理について制限なく扱える弁護士とは違い、例えば任意整理において認定司法書士が弁護士のように交渉をするような場合、整理する債務の総額が140万円以下でなければなりません。
このように司法書士・認定司法書士は弁護士に比べ、できることに制限があります。
また自己破産の手続の中で、裁判官面接を求められる場合がありますが、弁護士は本人の代理人として面接に出席することが可能なのに対し、司法書士は代理人になることができません。

自己破産の場合、司法書士は代理人になれず、書類作成を代わりに行いそれに関連するサポートをするにとどまります。

基本的に自己破産をする場合は、司法書士ではなく弁護士に依頼すると覚えておくのが良いでしょう。

自己破産におすすめな弁護士・司法書士事務所

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まとめ

自己破産のメリットデメリットから具体的な流れまで、詳細に解説しました。難しい用語も多く「本当に自分にできるのかな」と不安になられた方もいるかもしれません。

自己破産をお考えならばぜひ、心強い味方となる弁護士を見つけ、しっかり準備をしたうえで手続きに臨むことをおすすめします。

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※本記事はいかなる法的な助言や意見の提供をするものでもありません。ご心配なことがある方は、必ず弁護士に相談する等専門家のご支援を得ていただきますようお願いいたします。
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