自己破産したら賃貸アパートから追い出される?賃貸契約はできるの?

自己破産とは、一定以上の価値がある財産を手放す代わりに、どんなに高額な借金もゼロになる債務整理方法です。

しかし、賃貸物件に住んでいる人にとっては「自己破産をしたら、賃貸物件・アパートを追い出されてしまうのではないか」「賃貸物件を借りられないのではないか」などの不安があることでしょう。

そこで今回の記事では、自己破産によって賃貸契約を解約される可能性や、新たに賃貸契約を結ぶ際の注意点を紹介します。

保証会社の選び方や、自己破産後の家賃情報なども解説しています。

自己破産をしても賃貸物件の退去を命じられることはない

引っ越し

一般的に、賃貸物件に住みながら自己破産をしても、賃貸契約を解約させられたり、退去を命じられたりすることはありません

CHECK
2005年1月1日以前は、民法第621条にて借主が自己破産をすると賃貸契約の期間中だとしても家主が賃貸契約を解約できると定められていました。
したがって、自己破産をすれば賃貸物件からの退去を命じられケースがもありました。

 

現在は2004年に行われた破産法改正に伴い、民法や民事再生法なども一部改正されたことで、借主の自己破産を理由にした賃貸契約の解約はできなくなっています

したがって、2021年2月末現在はマンションやアパート・借家など物件の形態を問わず、自己破産をしても賃貸物件から追い出されてしまう心配はありません。

自己破産後に賃貸をい出されるかもしれない2つのパターン

上記で解説したように、自己破産をしても賃貸物件の退去を命じられることはありません。

しかし、例外として賃貸物件を解約されてしまうケースがあります。

ここでは、自己破産をして賃貸を追い出されてしまう可能性がある、2つのパターンを解説していきます。

① 収入に見合わない高い家賃の物件に住んでいる場合

マンション

借金の返済ができずに自己破産をしたにも関わらず、収入に見合わない高い家賃の物件に住んでいる場合は、賃貸契約を解除する理由として認められています。

そもそも自己破産とは、借金が返済できずに生活が立ち行かなくなってしまった人のための法的な救済措置です。

そのため、自己破産をした後も高額な家賃を支払い続けていると、生活を立て直すせっかくのチャンスを棒に振ってしまうことになるでしょう。

WARNING
収入に見合わない高い家賃の物件に住んでいる場合は、貸主が賃貸契約ではなく、破産管財人が賃貸契約の解除を決定します。

破産管財人とは、住宅や自動車・貴金属など、破産者の財産を管理する役目を持つ人のことで、裁判所から選ばれた弁護士が担います。

CHECK
一般的に、賃貸物件の家賃は、手取り収入の3分の1以内に収めることが目安だと言われています。

 

あくまでも目安であるため、手取り収入の3分の1を超えたからと言ってすぐに賃貸契約を解約されるとは限りません。

とは言え、収入に見合わない物件に住んで再び経済的に困窮するリスクを防ぐためにも、自己破産を機に適正な賃貸物件の家賃も見直すと良いでしょう。

② 家賃を滞納している場合

鍵

自己破産をしただけでは賃貸契約を解約される心配はありませんが、家賃を滞納している場合は注意が必要です。

自己破産の手続きでは、滞納している家賃も免責の対象となり、支払いが免除されます。滞納した家賃が免責されると、債務不履行となって、貸主には家賃が支払われません

CHECK
家賃が支払われない場合は、貸主は賃貸契約に基づいて、契約を断ち切ることが認められているのです。

 

なので家賃を滞納している場合は、自己破産をきっかけに立ち退きを命じられる可能性があります。

WARNING
ただし、賃貸契約の解約を防ぐために滞納した家賃だけを返済することは「偏頗(へんぱ弁済)に該当し、自己破産が認められないケースがあります。

偏頗(へんぱ)弁済とは、自己破産の手続きをする際に、特定の債権者にだけ優先して返済する行為のことです。

家賃の滞納を含め、どれも借金であることに変わりはないにも関わらず、家賃だけを返済することは偏頗(へんぱ)弁済だと判断される可能性が高いので注意しましょう。

審査や更新は?己破産をして新たに賃貸物件は借りられない?

サイン

上記では、賃貸物件に住みながら自己破産をした場合について解説してきました。

では、自己破産をした後に新たに賃貸物件を契約したい場合、自己破産を理由に契約を断られてしまうことはあるのでしょうか?

CHECK
実は、自己破産をしたからと言って、今後賃貸契約が結べなくなる訳ではありません。

自己破産をしても新たに賃貸物件を借りられる上、契約時に自己破産をしたことを申告する義務もありません

しかしながら、契約時の審査においては気を付けておきたいポイントがあります。

ここからは、自己破産後に新たな賃貸契約を結ぶ際の注意点について解説していきましょう。

賃貸契約を結ぶ際の審査には2パターンある

クレジットカード

賃貸契約を結ぶ際の審査には、以下のように2つのパターンがあります。

  • 管理会社または貸主による審査
  • 賃貸保証会社による審査

管理会社や貸主による審査では、一般的に自己破産を理由に落ちる心配は、ほとんどありません。

CHECK
あくまで一般的ではありますが、家賃を支払える安定した収入があることが証明できれば、審査に通る可能性は高いと言われています。

過去に自己破産の手続きを行った事実を、申告する義務もありません。

賃貸保証会社による審査は注意が必要

ところが、賃貸保証会社による審査を受ける際は、注意が必要です。

賃貸保証会社とは?
両親や親族などに連帯保証人を頼めない人のために、連帯保証人の役割を果たしてくれる会社を指します。

賃貸保証会社に依頼すれば、連帯保証人になってくれる人が見つからなくても、賃貸契約を結んで物件を借りることが可能ですが、賃貸保証会社の審査に通らなければ利用できません。

CHECK
賃貸保証会社の審査時には、信用情報機関の信用情報も照会されます。

信用情報機関とは、クレジットカードの利用歴や消費者金融との取引歴、銀行や信用金庫との取引歴など、さまざまな個人情報が登録されている機関です。

信用情報機関には、以下の3つがあります。
信用情報機関 主な登録内容
CIC(株式会社シー・アイ・シー) クレジットカードの利用歴など
JICC(日本信用情報機関) 消費者金融との取引履歴など
KSC(全国銀行個人信用情報センター) 銀行や信用金庫との取引履歴など

自己破産をすると破産した事実が信用情報に登録されてしまうため、支払い能力が低いと判断され、賃貸保証会社との契約を結べない可能性があります。

なお、信用情報の登録期間は、5~10年ほどです。

例えば
自己破産後に賃貸保証会社と契約して賃貸物件を借りたい場合は、信用情報機関から信用情報が削除されるのを待ってから、物件探しをするのも一つの手です。

自己破産後アパートを契約するなら!賃貸保証会社のび方

電卓

上記で解説したように、賃貸保証会社を利用する場合には審査時に信用情報機関の信用情報をチェックされてしまいます。

賃貸保証会社には、大きく分けて信販系・民間系の2種類があります。

クレジットカードの利用歴や、金融業者との取引歴を照会するのは、信用情報機関に加盟している信販系の賃貸保証会社です。

CHECK
したがって、信用情報機関に加盟していない民間系の賃貸保証会社を選べば、自己破産の事実を知られる可能性が低いと言えるでしょう。

 

民間系の賃貸保証会社には、主に以下のような会社があります。

    • 日本セーフティー
    • JID(賃貸保証サービス)
    • アルファー
    • エルズサポート
    • リクルート
    • 全保連
    • ニッポンインシュア
    • フォーシーズ
    • カーサ(Casa)
    • ルームバンクシュア

両親や兄弟など親族に連帯保証人を依頼できない場合は、必ず物件探しの段階で賃貸保証会社の名前を聞き、民間系であることを確認することがおすすめです。

賃貸保証会社の電話審査における注意点

注意

賃貸保証会社を利用する際には、事前の書類審査と併せて本人確認を兼ねた電話での審査も行われます。

民間系の会社であれば、信用情報機関の照会は基本的に行われません。

よって、事実を伏せて電話に応じることになりますが、事実を隠している後ろめたさから、つい自己破産をした事実を包み隠さず全て話してしまう人もいるかもしれません。

WARNING
しかし、自ら自己破産した事実を正直に話してしまうのは、おすすめしません。

民間系の賃貸保証会社は信用情報の照会をしないため、審査においては自己破産の事実を重要視しないと考えることもできますが、過去の事故歴を知った上で何事もなく審査に通す可能性は低いと推測できます。

なので、敢えて自己破産の事実を伝え、自らを不利な立場に置く必要はありません。

自己破産後のむ場所は?家賃の低い賃貸物件とは?

部屋

自己破産をした後の物件探しで特に重視するのが家賃でしょう。

「自己破産をして手元にほとんど現金がない」「できるだけ安い賃貸物件に住みたい」と考えるのも当然です。

とは言え、引越しにはさまざまな費用が必要ですよね。

新居に必要な家具や備品をそろえることも踏まえると、数十万円もの支出も決して珍しくはありません。

家賃以外にかかる費用はいくら?

家賃以外にかかる費用には、次のような費用が挙げられます。

    • 引越し業者への依頼費用
    • 敷金(家賃の1~2カ月分)
    • 礼金(家賃の1~2カ月分)
    • 1カ月分の家賃・共益費
    • 仲介手数料
    • 火災保険料
    • 鍵の交換代
    • 新居に必要な家具や備品

上記の例だと、仮に家賃が5万円の物件を契約したとしても、敷金・礼金、家賃の前払い分だけで15~25万円程度のお金が必要でしょう。

引越し費用を抑える方法は?

引っ越し

引越し費用をできるだけ抑えたい場合には、公営住宅やUR住宅への引越しがおすすめです。

公営住宅とは 都道府県や市町村が管理する物件で、県営住宅・都営住宅・市営住宅などと呼ばれています。
UR住宅とは 独立行政法人都市再生機構が運営・管理する物件で、礼金や仲介手数料が不要であることが特徴です。

公営住宅の敷金・礼金は各自治体によって異なり、家賃の数カ月分を請求される場合もあれば、完全に無料の場合もあります。

CHECK
入居できる条件も自治体により異なりますが、一定以下の収入でなければ認められないケースが一般的です。

UR住宅の場合、敷金として家賃3カ月分の支払いが必要ですが、物件を綺麗に使用していれば退去時にはほとんど戻ってくるため、大きな心配は不要でしょう。

WARNING
なおUR住宅の場合は、独立行政法人都市再生機構が定める基準を上回る月収または貯蓄がなければ、認定されないためご注意ください。

自己破産に追い込まれたら護士への相談がおすすめ

男性

家賃の支払いができなくなり自己破産を検討したら、まずは弁護士への相談がおすすめです。

自己破産を弁護士に依頼すると、以下のようなメリットがあります。

① 債権者からの返済催促がストップする

弁護士に依頼をすると、弁護士から債権者へ受任通知が送付されます。

受任通知とは?
正式に弁護士と契約を結んだことを知らせる通知です。

受任通知には法的効力があるため、受け取った債権者は、それ以降は弁護士を介さなければ債務者と連絡を取ることはできなくなります

CHECK
よって、債権者から直接返済催促の電話がかかってきたり、郵便が届いたりすることもなくなり、精神的ストレスが大きく軽減されるはずです。

② 書類の準備や作成を代行してもらえる

書類

賃貸物件に住みながら自己破産の手続きを進めるには、以下のようにさまざまな書類が必要となります。

自己破産の必要書類

※★印は必須書類です

★自己破産申立書 自己破産の申し立てを行う際に裁判所に提出する書類
★陳述書 自己破産を認可してもらうための作文
★住民票 住んでいる市区町村の役所で入手可能、発行には手数料が必要
★収入の証明 直近23カ月分の給与明細、直近1カ月分の源泉徴収票など、収入を証明するための書類
★銀行通帳のコピー 収入や出入金の状況を確認するための資料
★賃貸契約書 賃貸物件の契約時に作成された書類
保険証のコピー 生命保険、損害保険、医療保険など
車検証・登録事項証明書のコピー 自動車を保有している場合のみ提出
自動車の査定書 自動車を保有している場合のみ提出
退職金に関する証明書 退職金が発生する場合のみ提出
不動産の登記謄本・査定書 土地や住宅など不動産を保有している場合のみ提出
公共料金の領収書 水道光熱費やNHK受信料など、直近2カ月分の領収書を提出する
税金の滞納に関する証明書 所得税や国民年金、住民税、健康保険料などを滞納している場合のみ提出

これらの書類を全て準備するのは手間がかかりますが、弁護士に依頼すれば書類の準備を代行してもらうことが可能です。

CHECK
陳述書の作成についてもアドバイスをもらえるため、より自己破産を認めてもらいやすい書類を作成できるでしょう。

③ 裁判所とのやり取りを代行してもらえる

契約

自己破産の手続きは、裁判所を介して行われます。

したがって、裁判所とのやり取りも必然的に増え、債務者にとっても大きな負担となってしまいます。

CHECK
弁護士に依頼すれば、裁判所とのやり取りもほとんど代行してもらえるため、慣れない作業にプレッシャーを感じることも少ないでしょう。

なお、自己破産の手続きでは裁判官との面談もありますが、弁護士にも同席してもらうことも可能です。

自己破産手続きの費用とは

財布

自己破産の手続きを弁護士に依頼すると、主に以下のような費用が必要です。

相談料 5,000円程度
着手金 貸金業者1社につき12万円程度
基本報酬 貸金業者1社につき23万円程度
成功報酬 2万円程度
過払い金報酬 ケースにより異なる
和解:~20%程度、裁判:~25%程度
減額報酬 減額した借金の10%前後
実費(切手代、収入印紙代など) ケースにより異なる
その他(手数料、通信費など) ケースにより異なる

費用は借入件数や個々の状況により異なりますが、30~100万円程度かかるのが一般的です。

WARNING
裁判所から管財人が選出されると、上記に加えてさらに20万円程度の支払いを求められる場合もあります。

依頼費用は決して安くはありませんが、その分メリットも大きいことも確かです。

また、自分では「自己破産するしか方法がない」と思い詰めていても、弁護士に相談すればほかの解決策についてアドバイスをもらえることもあります。

自己破産をして財産を手放さずに済む可能性もあるため、悩んだ時はぜひ弁護士を頼ることをおすすめします。

CHECK
無料相談を行っている事務所や分割払いを認めている事務所もあるため、いくつかの事務所を比較しながら自分に合った弁護士を選ぶと良いでしょう。

自己破産にい弁護士・司法書士事務所5選

はたの法務事務所
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はたの法務事務所
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ひばり法律事務所は、事業拡大のために2020年7月に個人事務所(名村法律事務所)から、弁護士法人に組織変更した法律事務所です。

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依頼にかかる費用が明確化されているため「弁護士に依頼すると高い」「いくら支払うかわからなくて怖い」という場合にも、不安なく依頼できるでしょう。

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天音法律事務所は、債務整理や交通事故を中心に、さまざまな法律問題に対応している法律事務所です。

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天音総合法律事務所も、費用が明瞭なので安心して依頼できます。
着手金 55,000円〜 報酬金
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11,000円〜
減額報酬 11% 過払い
報酬
返還額の22%

※金額は全て税込み表示です。

天音総合法律事務所について
所在地 〒103-0012
東京都中央区日本橋堀留町2-3-14堀留THビル10階
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債務整理、交通事故、消費者トラブル、離婚問題、医療事故、労働問題、相続問題など
出典:https://amane-law.or.jp/

まとめ

今回は、賃貸住宅に住みながら自己破産をする場合について、多くの人が気になっている賃貸契約を解約される可能性や、新たに賃貸契約を結ぶ際の注意点・賃貸保証会社の選び方などを解説しました。

自己破産をしたからと言って、すぐに今住んでいる賃貸物件・アパートからの退去を命じられる心配は原則ありませんが、収入に見合わない高い家賃の物件に住んでいる場合や、家賃を滞納している場合はその限りではありません。

また、自己破産を理由に新たな賃貸物件の契約を断られる恐れもないものの、連帯保証人を賃貸保証会社に依頼する場合には、会社選びを誤ると物件を借りられない可能性があります。

自己破産をしても住み慣れた住居から退去せずに済むように、また安心して次の物件探しを進められるよう、ぜひ今回解説した内容を参考にしてみてください。

そして悩んだ時は、一人で抱え込まず、できるだけ早く弁護士に相談して解決への道を探りましょう。

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※本記事はいかなる法的な助言や意見の提供をするものでもありません。ご心配なことがある方は、必ず弁護士に相談する等専門家のご支援を得ていただきますようお願いいたします。
・本記事の内容は、本記事内で紹介されている商品・サービス等を提供する企業等の意見を代表するものではありません。
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