任意整理のデメリットは?生活への影響やメリットもわかりやすく解説
収入が下がるなどの理由で借入当初との状況が変わり、借金の返済が苦しくなった人はいませんか?そんなとき助けになるのが、任意整理の手続きです。
任意整理をすれば、利息カットなどにより返済額が減るかもしれません。しかし、初めての方は「任意整理にデメリットやリスクはないの?」「任意整理の生活への影響は…?どうなるの?」と不安に思っている人もいるでしょう。
そこで本記事では、任意整理のデメリットやメリットをわかりやすく解説します。
✏️この記事のまとめ |
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今すぐに借金を減額したい方へ
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目次
任意整理のデメリットとは?
任意整理をすると、利息(手数料)の支払いがなくなるため月々の返済額が減り、借金返済の負担を軽減することができます。しかし、単に借金を減らせる訳ではなくデメリットもいくつかあります。
- ブラックリストに載る
- 収入が無ければできない
- 任意整理ができない相手もいる
ブラックリストに載る
任意整理の1つ目のデメリットは、任意整理も個人再生や自己破産と同じく信用情報にキズがつくことです。信用情報に任意整理といった金融事故の履歴が登録されることを、俗に「ブラックリストに載る」といいます。
ブラックリストに載ると、ローンやクレジットカードの利用、車の所有などにも影響が出るため、これまで通りの生活ができなくなるかもしれません。
なお、事故情報の登録を行う信用情報機関には、以下の3つがあります。
信用情報機関によって扱う内容に違いがあるため、どの機関がどんな個人情報を扱っているのかを知っておきましょう。
信用情報機関 | 主に取り扱う個人情報 |
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JICC | 延滞歴、債務整理・減額等の申し入れ、自己破産申立、個人再生申立など |
CIC | 支払い状況に関する情報(報告日、請求額、入金額など) |
KSC | ローンやクレジットカードなどの契約内容・返済状況など |
借金そのものを減額することはできない
任意整理は今後発生すると見込まれる利息や、遅延損害金を減額する方法です。したがって、借金の元金自体を減らすことはできません。
借金自体を減額できないのはデメリットに思えるかもしれません。ただし、任意整理にかかる費用や日数を踏まえると、ほかの債務整理の方法よりもコスパは良いといえます。
任意整理ができない相手もいる
3つ目のデメリットは、任意整理ができない相手もいるということです。
任意整理は、裁判を起こさずに債権者と交渉をしながら進める方法のため、債権者の同意を得られなければ手続きを終えることができません。
「利息は払わなくても良いから元本はしっかり返済してほしい」「返済期間が延びても良いから全額支払ってほしい」と考える債権者が多いため、基本的には任意整理に応じてくれるでしょう。
しかし、中には任意整理を認めてくれない債権者もいます。また、任意整理に応じたとしても分割回数の制限を求められる場合もあります。
希望通りの条件が通るとは限らないことも心に留めておきましょう。
任意整理するとクレジットカードやローンはどうなる?
任意整理後のクレジットカード
クレジットカード会社の規約では、債務整理の実行は強制解約に値する事由となっています。よって、任意整理だけでなく、債務整理をすればその対象となるクレジットカードは強制解約となります。
クレジットカードが強制解約となると、クレジットカードの利用ができなくなることはもちろん、クレジットカードに付帯したポイントやマイレージなどのサービスも解約となります。
なお、現金を持ち歩きたくない場合は、カードでの支払いと同時に銀行口座から引き落とされるデビットカードの利用がおすすめです。
任意整理後のローン
ローンには、住宅ローンや自動車ローン・教育ローンなどがありますよね。任意整理は利息をカットしたり、支払期間を延長して少しずつ返済できるようにしたりして、借金の負担を軽減するために行います。
しかし、任意整理後に新たにローンを申し込みたい場合には注意が必要です。例えばローンに申し込むと、銀行はローンに関する情報を扱うKSCに照会します。
民間企業や日本政策金融公庫が扱う教育ローンも信用情報機関に加盟しており、ブラックリストに載ることで審査に通りづらくなります。
KSCへの登録機関は5年間ですので、任意整理を行ってから5年間はローンの利用が難しいでしょう。これも任意整理をするデメリットの1つと言えます。
任意整理のデメリットと誤解されがちなこと
ネット上などでは、「任意整理をするとこんな悪影響がある」とデメリットをうたう口コミを見かけるかもしれません。しかし、実際は法律できちんと定められているなどデメリットではない事柄も多いです。
ここでは、任意整理のデメリットと誤解されやすい内容について解説していきます。
- 仕事を辞めさせられる
- 家族に悪影響を与える
- 年金や給料が1円ももらえない
仕事を辞めさせられる
任意整理を行ったからといって、仕事を辞めさせられることはありません。会社は、任意整理を理由にクビにできないよう法律で定められています。
任意整理したら会社を辞めるよう言われるのでは…という噂や口コミを見かけても、気にせず弁護士や司法書士に相談するのがおすすめです。
家族に悪影響を与える
任意整理をすると収入状況や保有している財産などをチェックされますが、家族にも確認を求めることはありません。確認の結果、財産などを没収されたとしても、家族の財産は守られます。
借金の連帯保証人が家族になっている場合は、任意整理を行う前にあらかじめ伝えておくのが良いでしょう。
年金や給料が1円ももらえない
任意整理によって年金や給料がもらえなくなることはありません。年金や給料は民事執行法で差し押さえができない財産として定められています。
(差押禁止債権)第百五十二条 次に掲げる債権については、その支払期に受けるべき給付の四分の三に相当する部分(その額が標準的な世帯の必要生計費を勘案して政令で定める額を超えるときは、政令で定める額に相当する部分)は、差し押さえてはならない。
一 債務者が国及び地方公共団体以外の者から生計を維持するために支給を受ける継続的給付に係る債権二 給料、賃金、俸給、退職年金及び賞与並びにこれらの性質を有する給与に係る債権2 退職手当及びその性質を有する給与に係る債権については、その給付の四分の三に相当する部分は、差し押さえてはならない。3 債権者が前条第一項各号に掲げる義務に係る金銭債権(金銭の支払を目的とする債権をいう。以下同じ。)を請求する場合における前二項の規定の適用については、前二項中「四分の三」とあるのは、「二分の一」とする。
任意整理の4つのメリット
任意整理をすると「ブラックリストに載る」などのデメリットがあると紹介しましたが、反対にメリットも存在します。ここでは、任意整理を行うことでどんなメリットがあるかを順に解説していきましょう。
- 利息がカットできる可能性がある
- 過払い金が戻ってくる可能性がある
返済期間の組み直しで月々の負担を減らせることも
忙しい人でも比較的簡単にできる
利息がカットできる可能性がある
任意整理の最大のメリットは、利息がカットできる可能性があることです。利息と言っても積み重なると大きな金額になるため、カットするだけで返済の負担をかなり減らすことができるでしょう。
200万円の借金(金利15%)を60回払いで返済する場合、利息があるとひと月あたりの返済額は、利息を合わせて約4万9千円、返済総額は約294万円となります。
しかし、利息がカットされればひと月あたりの返済額は約3万3,000円となり、月々の返済額・返済総額の減額につながります。
したがってこの例では、利息をカットするだけでひと月あたりの返済額が1万6千円程度も安くなるのです。
過払い金が戻ってくる可能性がある
過払い金とは、法定金利より多く支払っていた利息を指し、2007年以前の借り入れが主な対象となります。
過払い金の有無や金額はケースによって異なるものの、発覚して戻ってくればそのお金を返済に充てることができるため、調べてみる価値はあるでしょう。
なお、任意整理時には、弁護士など法律の専門家に手続きや利息の引き直し計算と呼ばれる過払い金の計算を依頼するのが一般的です。過払い金があるか確認したい場合は、専門家への依頼をご検討ください。
返済期間の組み直しで月々の負担を減らせることも
任意整理では、支払期間の延長を交渉することが可能となっています。例えば、5年間の返済期間を7年間に延長するだけでも、ひと月あたりの返済額の減額につながります。
返済期間は、収入や生活状況などさまざまな要素をもとに決定します。どのくらい延長できるかは、債権者との交渉次第。期間によっては月々の返済額を大幅に減らすことができるため、負担が軽くなるはずです。
忙しい人でも比較的簡単にできる
債務整理には、任意整理のほかに自己破産や個人再生がありますが、任意整理はこれらの中でも比較的手続きが簡単な手段です。
また、個人再生や自己破産のように半年以上かけて手続きをする必要もない上、手続きは専門家に任せておいて構いません。よって、忙しい人でも簡単に行えるメリットがあります。
任意整理は専門家に依頼するのがおすすめ
引き直し計算や債権者との交渉を行うためには専門知識を要するため、任意整理の手続きは司法書士や弁護士に依頼するのが一般的です。どちらも法律の専門家であるため安心して依頼することができます。
弁護士であれば借金が高額の場合でも対応可能です。また、司法書士事務所であれば費用を安く抑えられます。はたの法務事務所なら、任意整理の着手金が0円なのでおすすめです。
ここからは、任意整理の依頼先として弁護士・司法書士事務所をおすすめする理由について解説していきましょう。
- 家族や知人にバレるリスクが減る
- 手続きの手間が省ける
- 取り立てや催促から解放される
- 交渉力があり経験が豊富
扱える金額に上限がない
- 他の債務整理についても相談可能
家族や知人にバレるリスクが減る
自力で任意整理を行うと、債権者と連絡を取り合う機会も増えます。債権者からの電話や郵便物がきっかけで、借金を抱えていることや任意整理が周囲にバレるケースも珍しくありません。
どうしても周囲にバレたくない場合は、あらかじめ弁護士に相談しておくのがおすすめ。
電話は固定電話ではなく携帯電話にかけてもらったり、弁護士事務所名を記載せずに郵便物を出してもらったりなどの対応をお願いすることも可能です。
手続きの手間が省ける
自分で任意整理を進めるためには、債権者との交渉だけでなく、必要書類の準備・作成や引き直し計算などの作業も一人で行わなければなりません。
弁護士に依頼すると、任意整理に必要な手続きをすべて代行して行ってくれるため、自分で手続きをする手間を省くことができます。
取り立てや催促から解放される
弁護士に任意整理を依頼すると、弁護士から債権者へ受任通知が送付されます。
取り立ての連絡はストレスの原因にもなるため、債権者からの連絡がなくなるだけで精神的に楽になる人は多いことでしょう。
交渉力があり経験が豊富
利息のカットや支払期間の延長などの交渉は、難易度の高い作業です。支払期間を過度に延長するのは債権者も快く思いません。
とは言え、自分の支払い能力に見合わない無理な返済計画を提案しても、和解成立後の返済が行き詰まってしまうでしょう。
また、知識や経験がないまま挑むと、意図しない内容や不利な条件での和解が成立してしまう可能性もあります。したがって、今後の返済計画にも大きく影響する交渉は、知識と経験が豊富な弁護士に依頼するのがおすすめです。
扱える金額に上限がない
認定司法書士が扱える金額は「1債権者につき140万円まで」というルールがあるため、140万円を超える金額は取り扱うことができません。
借金の額に応じて依頼先を検討するのも良いですが、高額な借金を抱えている場合は、取扱金額に制限のない弁護士に依頼するのがおすすめです。
ほかの債務整理についても相談可能
任意整理では解決できないほど借金が多かったり、債権者が任意整理に同意せず和解が成立しなかったりと、任意整理が上手く進まない場合もあります。
そんな時は、自己破産や個人再生など任意整理以外の債務整理を検討する必要があります。
一方、弁護士は業務に制限なくどんな債務整理でも全ての手続きを行えるため、任意整理以外の債務整理に変更したい場合でも相談可能です。
任意整理についてよくある質問
「はたの法務事務所」がおすすめです。一般的な弁護士事務所では、任意整理の着手金として約2〜5万円かかるところが多いですが、はたの法務事務所なら0円。
相談も何度でも無料、過払い金調査も無料で行ってくれるので、安い弁護士・司法書士事務所を探している方にぴったりでしょう。
デメリットは主に次の3つでしょう。
- ブラック入りする可能性
- 借金を大きく減額できない
- 任意整理をした会社は今後利用できない可能性がある
任意整理をした方がいいのか、他の解決策があるのか、不安がある方は一度借金問題のプロである弁護士に相談してみるのも1つの手です。
任意整理にかかる費用は、主に「着手金」「報酬金」「減額報酬」「過払い報酬」の4つ。費用の相場は、約5〜20万円です。
費用の細かい内訳は法律事務所によって異なるため、費用を抑えたい方は各事務所の公式HPをしっかりチェックしましょう。
任意整理を含む債務整理を行った場合、対象となるクレジットカードは強制解約になります。その際クレジットカードはもちろん、貯めていたポイントなども使えなくなります。
また、新規でクレジットカードを作成できなくなるなど生活への影響は大きいです。弊害はあらかじめ把握したうえで手続きをしましょう。
住宅ローンに関しては、返済中に任意整理をしたからといって住宅を手放す必要はありません。
一方で、車のローンの返済期間中の方は注意が必要です。ローン返済中に任意整理をすると、債権者に没収される可能性があります。
まとめ
今回は、任意整理のデメリットを中心に、クレジットカードやローンなどへの影響を解説しました。
任意整理にはブラックリストに載ってしまうというデメリットがありますが、利息のカットや支払期間の延長による返済額の減額など、数々のメリットも存在します。
デメリット | メリット |
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債権者との交渉によっては任意整理での和解が成立しない可能性もあります。しかし弁護士に依頼していれば任意整理からほかの債務整理に切り替えて手続きを進めたり、相談したりすることも可能です。
今回解説した内容を参考にしながら、弁護士とともに無理のない返済計画を立てていきましょう。
執筆者情報 モアマニ編集部 |
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涌井好文
就職氷河期の中、自身が非正規雇用を経験。それが労働者の雇用環境に興味をもつきっかけとなり、社会保険労務士の資格を取得。社会保険労務士として開業登録を行ってからは、企業の人事労務や給与計算のアドバイザーとして活躍する。近年では活動の幅をウェブまで広げ、クラウドソーシングサイトやSNSを主軸に、記事の執筆や監修を行う。
債務整理担当ライター・編集者Rさん
借金が膨れ上がってしまうことで心の余裕がなくなってしまうのは、珍しいことではありません。そんな借金で困っている方向けに、誰にでも分かりやすく情報をまとめることを意識して、日々記事の執筆・編集を行っています。
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