借金の延滞で差し押さえられるもの5選|対象の財産や回避方法も解説

借金の延滞を続けていると、督促の電話やハガキが届くだけではなく、最終的には財産の差し押さえが行われることをご存じでしょうか?

差し押さえは自宅にある価値のある財産だけでなく、毎月の給料も対象となるため、一気に生活が苦しくなってしまいます。

そこで、具体的にどのような状況になると「差し押さえ」が実行されるのか、事前に知っておきたい人も多いのではないでしょうか。

この記事では、借金の延滞により「差し押さえ」が実行される条件や、具体的に差し押さえられる財産の内容について解説していきます。

借金の延滞が続いている人は、ぜひ参考にして下さい。

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借金延滞による差し押さえとは?

お金

「借金の延滞を続けたら給料を差し押さえられた!」という声を耳にしたことがあるかもしれませんが、差し押さえとは具体的にどのような仕組みなのでしょうか?

まずは、そもそも差し押さえとはどのようなものなのか、その内容について確認していきましょう。

差し押さえの仕組み

差し押さえとは、金融機関などからの借金の延滞を続けている場合に、裁判所が強制的に債務者の財産を取り立て可能な手続きのことです。

 債権者は債務者の財産を差し押さえることが禁じられているため、債権者に代わって裁判所が差し押さえを実行します。

また、差し押さえただけでは債権者がその財産を処分できないため、差し押さえのあとに実行される「強制執行」のあとに、債権者は債務者の財産を処分できるようになります。

このように、差し押さえは「強制執行をする前」の手続きとして実行され、これにより、債務者が勝手に自身の財産を処分できなくする効果もあります。

借金を長期延滞すると差し押さえられるもの

実際に借金を長期間延滞してしまうと、どのようなものが「差し押さえ」の対象になるのか、気になる人が多いのではないでしょうか。

ここでは、具体的に差し押さえとなる財産の内容について、詳しく確認していきましょう。

給料

お金

まず、真っ先に差し押さえられやすいのが、勤務先からもらっている「給料」です。

 差し押さえられるのは、給料から所得税、住民税、社会保険料、通勤手当などを引いた手取り額の4分の1の金額となり、残りの4分の3は債務者に支払われます。

ただし、手取り額が44万円を超える場合は、手取り額の4分の1ではなく、手取り額から33万円を差し引いた金額になります。

一例をあげて計算してみましょう。

計算例では、通勤手当1万円、所得税、住民税、社会保険料が3万円の場合となります。

支給額36万円の場合

36万円-1万円-3万円=32万円

44万円以下なので、32万円の4分の1となる8万円が差し押さえ可能額となります。

支給額50万円の場合

50万円-1万円-3万円=46万円

44万円を超えるので、46万円-33万円=13万円が差し押さえ可能額となります。

差し押さえが始まると、借金を全額支払うまで毎月給料の差し押さえが続いてしまいます

出典:まずお読みください|東京地方裁判所

預金

銀行口座に入っている預金についても、差し押さえの優先順位が高い財産です。

差し押さえがされると、その時点での預金残高のうち、借入残高分全額が差し押さえ対象になります。

例えば借入残高が50万円で預金が30万円ある場合は、預金の30万円全額が差し押さえられます。

 もし銀行口座をクレジットカードや公共料金の引き落としに指定している場合は、銀行残高が突然なくなってしまう可能性がありますので、注意が必要です。

ただし、差し押さえ後に入金されたものは、差押えの対象外となります。

不動産

一戸建ての住宅

持ち家などの不動産も差し押さえの対象となりますが、優先順位は給料や預金の方が高いため、必ずしも差し押さえられるわけではありません。

しかし、給料や預金、その他の財産でも借金が完済しない場合は、不動産も差し押さえられる可能性があります。

不動産が差し押さえられた場合は自宅が競売にかけられ、売却されます。

また、税金を滞納した場合は、滞納金額がそれほど高額でなくても自宅が差し押さえられる場合があるので、税金の滞納には注意が必要です。

自動車

債務者が所有する自動車も、差し押さえの対象となります。

持ち家と同様に、差し押さえの順位はあまり高くありませんが、預金や給料でも借金が払えない場合は、差し押さえの対象になる可能性が高いです。

 ただし、自動車がないと生活に支障をきたすといった事情がある場合は、差し押さえの対象外になるケースもあります。

動産

3つの指輪

動産とは、不動産以外のほとんどの財産のことを言います。

具体的には、現金や商品、装飾品など様々なものが動産となりますが、こちらも差し押さえの対象となります。

ただし、動産についても差し押さえの順位はそれほど高くありません。差し押さえの対象となりやすい動産は主に以下のようなものがあります。

  • 66万円以上の現金
  • 貴金属
  • 有価証券
  • 美術品

また、動産の中には、以下のように差し押さえが禁止されているものもあります。一例をご紹介しましょう。

  • 66万円以下の現金
  • 生活に欠かせない必需品(布団、家具、台所用品、衣類など)
  • 仕事など業務で使用する道具類
  • 一月間の生活に必要となる食料や燃料
  • 実印
  • 仏像、位牌など
  • 学校やその他教育施設で学習に必要な書類や器具

同居家族が所有する財産についても、差し押さえの対象にはなりません。

借金の延滞から差し押さえまでの流れ

借金を延滞すると差し押さえされると聞くと「1~2週間の延滞でも差し押さえられるの?」と思う人もいるかもしれませんが、短期間の延滞では差し押さえは実行されません

具体的にどの程度の延滞で差し押さえされるのか、借金の延滞から差し押さえまでの流れを簡単に確認していきましょう。

電話やハガキで督促がくる

電話を見る男性

まず、借金を延滞すると、数日後には電話やハガキなどでの督促が始まります。

電話やハガキでの督促は延滞が解消されない限りずっと続きます。

督促の電話に対応するのは面倒でも、きちんと話をして「いつまでに支払う」とある程度の目安を相談しておけば、しばらく待ってもらえる場合もあります。

督促の電話やハガキの無視を続けていると、債権者はさらに強い手段に出ます。

催告書が届く

督促状が何度も届いても対応をしないまま放置していると、延滞から1カ月ぐらい経過すると内容証明郵便などで催告書が届く場合があります。

 催告書には督促状よりも少し強い文言が書かれており「返済がない場合は法的手段を取る」といった旨が記載されています。

しかし、督促状と同様に、催告書にも法的な拘束力はありません

催告書が届いてもそれほどリスクはないですが、放置を続けていると本当に裁判を起こされてしまいますので、この段階で早めに延滞を解消しましょう。

一括請求通知が届く

2通の封筒

延滞から2~3カ月程度過ぎると、債権者から「一括請求通知」が届きます。

 一括請求通知とは、債権者が借入残高を分割ではなく、一括での返済を要求する通知です。

今迄分割で返済をしていたとしても、長期間延滞が解消されないことで「期限の利益を喪失」し、借入残高すべての一括返済を求められます。

一括返済ができれば問題ありませんが、今迄延滞を続けている人が一括返済できるお金を用意するのは困難でしょう。

しかし、一括返済にも応じない場合はいよいよ裁判を起こされてしまうため、債権者に連絡をして「分割払い」の交渉をするなど、一度相談をしてみましょう。

また、どうすればいいか分からない場合は、弁護士に相談してみましょう。

支払督促が届く

延滞から3カ月程度過ぎても返済をしない場合は、裁判所から「支払督促」が届きます。

支払督促とは債権者が裁判を起こした旨を通知するもので、裁判所から「特別送達」という郵便で届きます。

支払督促には「債権者が裁判を起こしたので速やかに返済すること」「返済しない場合は強制執行にうつる」旨が書かれています。

 支払督促を受け取ってから2週間以内に「異議申立書」を裁判所に提出しなければ、債権者から仮執行宣言の申し立てが行われ、最終的には裁判所による強制執行が実行されてしまいます。

異議申立書を提出すれば強制執行を避けられますが、その後通常訴訟へと移行します。

支払督促を受け取ったら早めに弁護士に相談し、訴訟や和解交渉をお任せしましょう。

財産の差し押さえ・強制執行

裁判所のガベル

支払督促を受け取ってから2週間以内に異議申立書を提出しなかった場合、債権者が裁判所に仮執行宣言を求めます

 これにより、今度は「仮執行宣言付支払督促」が債務者の元に送達され、これに対しても2週間、異議申し立てをしなければ、いよいよ強制執行が実行されます。

強制執行が行われると、財産の差し押さえが行われ、勤務先にも給料を差し押さえる旨の連絡が入ります

このように、実際に借金を延滞してから財産が差し押さえられるまでには何度も督促状や催告書などが送られ、裁判所からの特別送達という郵便も届きますので「知らない間に話が進んでいた」といったことはほぼありません。

早めに対処をしておけば差し押さえは避けられますので、面倒でも早めに手続きをしましょう。

借金による差し押さえで発生するリスク

では、実際に裁判所による強制執行が行われ、差し押さえをされた場合にはどのようなことが起こるのでしょうか。

強制執行が実行された場合の具体的なリスクについて確認していきましょう。

会社に差し押さえをする旨の連絡が行く

電話

まず、給料の差し押さえをされると、勤務先の会社にも給料を差し押さえる旨の通知が入ります。

 これにより「借金を延滞した上に強制執行されるまで放置していた」ことが勤務先にバレてしまいます。

当然、人事などから直接部署の上司にも連絡が入ることは想定できますし、これにより、上司などから事情を聞かれることは避けられないでしょう。

今の職場で立場が悪くなってしまうだけでなく、職場でも噂になってしまう場合もあるでしょう

借金の延滞を放置していなければこのような事態は避けられますので、会社にまで連絡されてしまう前に、早めの対処をおすすめします。

給料が減って生活に支障がでる

財産の差し押さえが行われると、まず真っ先に差し押さえられる可能性が高いのが給料です。

給料が差し押さえられる金額は、先にも解説したように手取り額の4分の1程度(手取り額が44万円を超えない場合)となります。

つまり、手取り額が20万円の人は、その4分の1の5万円が毎月差し引かれます。

強制的に給料がこのように大きく引かれてしまうと、毎月の生活にも大きな支障がでてしまうでしょう。

給料の差し押さえは借入残高がなくなるまで続きますので、借金の金額が大きい人は長期間減額された給料でやり繰りしていく必要があります。

家族に借金がバレる

けんかしている夫婦

支払督促の通知などは「特別送達」という特別な郵便で届き、ポストに入れられず、必ず郵便局の人が自宅まで届けに来ます。

家族が自宅にいる時に届いた場合は、何の郵便なのかと聞かれる可能性が高いため、家族に内緒にしておくのは難しいでしょう。

 また、世帯主の場合は、給料が差し押さえられると家計にも大きく響きますので、それによってバレてしまう可能性も高いです。

債務整理であれば家族にバレずに手続きできる方法もありますので、家族に心配をかけたくない場合は、できるだけ早めに弁護士に相談してみましょう。

借金による差し押さえを避けるための対処法

借金の長期延滞による財産の差し押さえは、簡単に実行されるものではありません

何度も督促の電話や督促状などが届きますし、裁判所からは強制執行になる前に特別送達での郵便も数回届くため「気づかなかった」「知らない間に進んでいた」ということはほとんどあり得ません。

そのため、財産の差し押さえは対応次第で、避けることが十分可能です。

ここでは、差し押さえを避けるためにできる具体的な対処法をいくつか紹介していきます。

延滞を長期間放置しない

カレンダー

借金の支払いが数日遅れるという程度であれば、それほど問題ありません。

 しかし、数週間単位で遅れると個人信用情報にも記録が残りますし、借入先からどんどん督促の電話や督促状も送られてきます。

また、2~3カ月など数カ月単位で遅れると、一括請求や支払督促通知などが届き、自分一人では解決できない事態へと進んでいきます。

借金の延滞はできるだけしないのが望ましいですが、どうしても遅れる場合は必ず借入先に連絡を入れ「いつまでに返済する」という約束をした上で、必ず約束期日までに返済をしましょう。

支払督促が届いたら異議申立書を必ず提出する

先にも解説したように、支払督促が届いたら2週間以内に異議申立書を提出する必要があります。

 異議申立書を送らなければ、差し押さえ前の最終通達として仮執行宣言が発付され、仮執行宣言付支払督促が送られてきます。

仮執行宣言付支払督促が届いても何も対応しない場合は強制執行となります。そのため、支払い督促が届いたら、必ず2週間以内に提出しましょう。

また、異議申立書には作成日や債権者・債務者の住所や電話番号などの基本情報と、申し立ての理由を記載して返送します。

自分で異議申し立てをする場合は自分の名前を記名して押印しますが、代理人が手続きをする場合は代理人が記名押印します

手続き方法が分からない場合は、必ず弁護士に早めに相談しましょう。

個人再生か自己破産手続きをする

書類に記入する人

支払督促の通知が届いた後でも、個人再生か自己破産手続きをすれば、強制執行を避けられます。

 また、すでに決まっている強制執行についても、個人再生か自己破産の手続き開始決定が出れば強制執行を止められます。

ただし、個人再生や自己破産は、申し立てをしてから手続きの開始決定まで1ヵ月程度かかる場合もあります。

もし強制執行が目前に迫っているのであれば、個人再生か自己破産の申立後に「強制執行の中止命令」を申し立てれば差し押さえをすぐに止めてもらえる可能性がありますので、早めに裁判所に知らせましょう。

ただし、任意整理手続きでは強制執行を止められませんので注意が必要です。

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    まとめ

    借金の返済が長期間になると、個人信用情報がブラックになるだけではなく、最悪の場合は裁判所命令で財産の差し押さえに発展する可能性があります。

    早めに延滞を解消すれば特にリスクはないですが、長期間放置すればリスクが大きくなるため、早めの対処が大切です。

    財産の差し押さえは簡単には実行されませんので、その間には何度も通知が届くはずです。

    裁判所から支払督促の通知が届いても、異議申立書を送れば強制執行は避けられますので、必ず期限内に手続きをしましょう。

    また、できれば裁判所から通知が届くような事態になる前に、早めに延滞を解消するか、債務整理の検討をおすすめします。

    ※本記事はいかなる法的な助言や意見の提供をするものでもありません。ご心配なことがある方は、必ず弁護士に相談する等専門家のご支援を得ていただきますようお願いいたします。

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