
過払金返還請求とは、過去に支払った借金の利息が、法律で定められた上限を超えていた場合に、過払い分を返還するための手続です。
ただ、過払金はいつでも返還請求ができるわけではなく、時効や条件が定められています。
過払い金の返還請求ができる期間は、基本的には借金の完済から10年です。しかし時効の10年を過ぎていても、過払金の返還請求ができる可能性があります。
この記事では、そんな過払い金返還請求の対象となる条件や、時効になる期間とその仕組みについて説明します。
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過払い金請求が時効になるのはいつから?
過去の借金で過払金がある場合は、支払い過ぎた分を返還請求できます。
ただし、過払金の返還を請求する権利には時効があるため、借金の最終取引日の確認が必要です。
まずは、過去の借金における過払金返還請求を考えるうえで、知っておきたい消滅時効や対象となる条件について説明します。
過払い金の時効は基本的に10年
過払金の返還を請求する権利の時効は10年です。借金を完済した日(取引が終了した日)を起算点として、10年後が過払い請求の消滅期限に設定されます。
例えば、借金の最終取引日が2018年12月31日の場合、2018年12月31日が起算点になり、10年後の2028年12月31日が消滅時効です。
借金の最終取引日から10年以上が経過した場合は、債権者(お金を貸している側)が時効の成立を援用(主張)するのが通常であり、その場合過払金の返還請求はできないため、まずは起算点になる日を確認する必要があります。
2020年の民法改正により、債権(人に対する権利)の消滅時効について、権利を行使できる時から10年間のほか、「権利を行使することができることをを知った時から5年間」とすることが定められました。
そのため、事案によっては取引が終了した日から10年経つ前に時効により過払金の返還請求ができなくなることがありますので、ご注意ください。
そもそも過払い金はいつまで発生していた?
いわゆるグレーゾーン金利での貸付による過払金が発生していたのは、2010年6月17日以前です。2010年6月18日以降は、法改正により過払金はなくなりました。
そもそも過払金とは、利息制限法で定められた金利の上限を超えて、請求された利息のこと。
借金の金利を定める法律に、利息制限法と出資法の2つがあり、2010年6月17日までのそれぞれで定める利息上限は次のとおりです。
法律名 | 上限 |
利息制限法 | 年15.0%〜20.0% |
出資法 | 年29.2% |
上に挙げたように、利息制限法で定める利息上限と出資法の利息上限で差が生まれ、その差のグレーゾーン金利と呼ばれる金利が生じていたのです。
グレーゾーンの存在をなくすため、法改正がおこなわれ2010年6月18日より新しい出資法が施行されました。
これにより出資法上の上限金利が年20%に引き下げられ、グレーゾーン金利は撤廃されました。
クレジットカードのリボ払いは過払い金請求の対象?
消費者金融からの借入だけでなく、クレジットカードのキャッシング枠を利用した場合のリボ払いについても過払金返還請求の対象になります。
ただし、クレジットカードのショッピング枠を利用した場合は、過払金返還請求の対象にはなりません。
また銀行のカードローンも、法律の範疇で金利を設定していたのが通常なため、、過払金返還請求はできない可能性が高いでしょう。
過払い金の時効が成立しないケースもある
過払金返還請求権の時効は原則として10年ですが、10年が経過しても時効が成立しないケースもあります。
ここでは、時効後でも過払金の返還請求ができるかもしれない、例外的なケースについて説明します。
ケース①貸金業者から不法行為を受けていた場合
消費者金融やクレジットカード会社から不法行為を受けていた場合では、原則10年の過払い金の返還請求の時効が成立しません。
対象となる不法行為は、次のような行為です。
-
- 暴行や脅迫などを伴う督促行為
- 金利に法的根拠がないことを知りながら行った請求
- 電話や訪問での取立てを1日に何度もおこなう行為
- 深夜や早朝など社会生活をするうえで非常識な時間帯の督促行為
上に挙げたような不法行為がおこなわれていた事実が証明できれば、借金の最終取引日を起算点として10年以上経っていたとしても、過払金の返還請求ができる可能性があります。
ケース②完済後に同じ貸金業者から再度借入した場合
借金を完済してすでに10年以上が経っている場合でも、同じ貸金業者から複数の借入をしていた場合は、実は時効が成立していないケースもあります。
最終取引日が2010年4月1日の借金では、原則的には10年後の2020年4月1日が過払金返還請求権の消滅時効です。
しかし、たとえば2010年5月1日に同じ貸金業者から1回目の借金と同等の条件で借金をしていた場合、連続した1つの借入と認められる可能性があります。
上に挙げた例のように、最初の借金の最終取引日が20年前だったとしても時効が成立していないケースもあり得ます。
ただし、2つの借金が連続した同一のものと認められるためには、次のような条件が必要と考えられています。
- 1つ目の最終取引日から2つ目の借入までがおおよそ6か月以内
- 同一の契約書、あるいは同じ条件で貸し付けられた
この期間がおおむね6か月以内であれば、同一の取引で行われた連続した借入れと判断されることが多いと考えられます。
過払い金の時効が成立間近なときはどうする?
過払金返還請求権の時効を過ぎてしまうと、返還請求ができなくなるのが通常です。そのため、時効前に手続をしなくてはいけません。
しかし、過払金の返還請求をするには3~6か月程度がかかるといわれています。過払金返還請求権の時効がもうすぐ成立してしまうケースでは返還請求の準備をしているうちに、時効が成立してしまう可能性があるため対処が必要です。
ここからは、時効の成立が間近に迫っている場合の対処法について解説します。
過払い金返還請求書を貸金業者へ送付する
過払金返還請求書を貸金業者へ送付することで、過払金返還請求権の時効の完成が6か月間猶予されるため、時効がその期間は進みません。請求書を貸金業者が受領した時点で猶予されます。
過払金返還請求書を作成するには、貸金業者からの借入の取引履歴を開示してもらい、過払金の引き直し計算をおこなう必要があります。
過払金返還請求書は自分自身で計算することも可能ですが、準備中に時効が成立してしまうリスクを避けるため弁護士に作成してもらうほうが安心です。
過払い金返還請求訴訟を申し立てる
過払金返還請求の訴訟を提起すると、過払金返還請求権の時効の完成が猶予されます。
ただし、訴訟を起こすためには書類や資金の準備が必要な点を理解しておきましょう。
訴訟提起の準備には時間がかかるため、時効が迫っている場合では弁護士などの法律家に相談し、訴訟の代理人になってもらうよう依頼するほうが確実といえます。
時効後に過払い金請求をしたいときは?
過払金返還請求権の時効は原則10年ですが、次のケースでは借金の最終取引日が10年以上前でも、まだ時効が成立していないかもしれません。
-
- 貸金業者から不法行為を受けていた
- 同じ貸金業者から期間を置かずに同じ条件での借入をした
貸金業者からの不法行為には、深夜・早朝の訪問や、暴力や脅迫による督促行為などがあります。催促の手段も様々です。
実際にどのような行為が不法行為にあたるのかなど、法的な知識がないと判断が難しいこともあるでしょう。
また、同じ貸金業者から借金をしたケースでは、2つの借金が同一の連続したものと認められ得ることがポイントです。
1つ目の借金完済から2つ目の借入までの期間が6か月を過ぎていても、場合によっては同一と認められる可能性もあるため、弁護士などの法律家の判断が必要になると言えます。
本当に時効が成立しているかを確認したい場合は自己判断せずに、まずは弁護士に相談して判断を仰ぐことが大切です。
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まとめ
過払い金の時効は、借金の最終取引日を起算点として10年間(または権利を行使することができることを知った時から5年間)であることが原則です。
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時効が迫っている場合は、書類作成などの対処を迅速におこなう必要があるため、過払金に詳しい弁護士に相談すると、スムーズに手続きが進むでしょう。