
クレジットカードの支払い方法として知名度の高い「リボ払い」。耳にしたことはあっても、きちんと仕組みを理解している人は少ないのではないでしょうか。
リボ払いは、使い方によっては返済の負担を減らすことのできる便利な支払い方法ですが、デメリットや注意点を知らなければ、いつまでも返済の終わらない借金地獄へと発展してしまう恐れがあります。
そこでこの記事では、リボ払いとは何かの仕組みからメリット・デメリット、利用時の注意点までわかりやすく解説します。
もくじ
リボ払い(リボルビング払い)とは何か?わかりやすく紹介
リボ払いとはリボルビング払いの略で、支払い方法の一つです。まずはリボ払いとは何か、特徴や仕組みについて詳しく解説します。
リボ払いの仕組みとは
リボ払いでは、買い物代金や購入回数に関わらず、毎月一定額ずつ返済を行います。クレジットカード決済に限らず、銀行ローンや消費者ローンでもリボ払いでの支払いを選択することができます。
「今月はいつもよりも使い過ぎてしまった」「急にまとまった出費が必要になった」など突然支出が増えてしまっても、リボ払いにしていれば翌月の支払額が変わる心配はありません。
リボ払いの利息
お金の貸し借りでは、貸したお金に高額な金利を設定して利息(手数料)を搾取しないよう「利息制限法」によって上限が定められています。
利息制限法によると、上限金利は年20%となっており、それを超えると違法金利として罰せられます。利息制限法による上限金利は、貸した金額に応じて以下のように定められています。
10万円未満 | 年20% |
10万円以上100万円未満 | 年18% |
100万円以上 | 年15% |
リボ払いの場合は、各カード会社により利率が異なります。一般的には実質年利を15%に設定しているケースが多いですが、支払期間によっても異なるため、利用している会社の規約を確認しておきましょう。
リボ払いの種類
リボ払いの支払いの種類は、主に以下の3つです。
定額方式
あらかじめ設定した金額の返済を続けていく方法を指します。利息(手数料)を含めて返済額を一定に設定するタイプ「元利定額方式」と、利息(手数料)を含めずに返済額を一定に設定するタイプ「元金定額方式」があります。
残高スライド方式
利用残高に応じて、月々の支払い金額が変動する方式を指します。
「利用残高が10万円以下なら毎月1万円の支払い」「利用残高が10万~20万円なら毎月2万円の支払い」など、利用残高によって月々の返済額が異なります。
定率方式
利用残高に一定率をかけた金額を支払う方式です。利用残高が多ければ支払い金額も大きくなり、返済を続けて残高が減ると支払金額は小さくなります。
最も利息(手数料)が高い支払い方法は?
リボ払いのように複数回に分けて支払う場合には、利息(手数料)が発生します。
「元金定額方式」「残高スライド方式」「定率方式」では利用残高に応じた利息(手数料)が加算され、金額により異なります。
利息(手数料)は利用残高に応じて設定されるので、月々の支払額を少額にしているといつまで経っても利用残高が減らず、高い利息が加算されることになります。
少しでも利息(手数料)を減らしたい場合は、月々の支払額を増やし、利用残高が減るスピードを上げると良いでしょう。
リボ払いと分割払いは何が違う?
リボ払いは月々の返済を一定額にする決済方式だと聞いて、分割払いをイメージした人も多いでしょう。確かにリボ払いと分割払いは、月々の返済額が一定という点において同じです。
しかし両者には、支払い方法と手数料において以下のような違いがあります。
リボ払いと分割払いの支払い方法の違い
リボ払いは決済件数を問わず、月々の返済額を一定に設定できます。したがって月によって利用金額が異なっても、支払い金額が変動することはありません。
それに対し分割払いは、利用毎に支払回数を設定する仕組みです。なので「この家電は5回でお願いします」「このブランド服は2回でお願いします」のように、利用の度に決済回数を指定できます。
リボ払いと分割払いの手数料の違い
上記で解説したように、リボ払いの利息(手数料)は利用残高に応じて加算されます。それに対し分割払いでは、1件毎の明細に対して手数料がかかります。
ここで解説した違いを以下の表にまとめています。ぜひ目を通してみてください。
支払い方法 | 手数料 | |
リボ 払い |
決済回数を問わず、月々の支払額が一定。 | 利用残高に応じて加算される。 |
分割 払い |
決済ごとに回数を指定する。 | 1件毎の明細に対して加算される。 |
リボ払いのメリット・デメリット
リボ払いには、ポジティブな面とネガティブな面の両方があります。ネガティブな面を知らずに使い続けていると、返済に苦労することも……。ここでは、リボ払いのポジティブ・ネガティブな面をご紹介しましょう。
リボ払いのメリット
まずは、メリットをご紹介します。ポジティブな面は以下の3つです。
fa-thumbs-o-up月々の支払額を抑えられる
最大のメリットは、月々の支払額を抑えられることです。冠婚葬祭や引越し、ライフイベントなどによって、出費が少ない月があれば多い月もあるでしょう。
リボ払いでは、ひと月あたりの利用金額に関わらず常にほぼ一定の支払いで済むため、出費が重なった月や収入の少ない月の支払い負担を軽減可能です。
fa-thumbs-o-up一度に全額支払わなくて良い
一括払いの場合は、翌月の引き落とし日までに全額を用意しなければなりませんが、リボ払いでは一度に支払額の全額を用意する必要はありません。
急な出費が重なり利用金額が膨らんでしまった時や、収入のタイミングが遅れてしまった時など、一時的に支払いが難しくなる際に便利です。
fa-thumbs-o-upクレジットカード会社により後日の変更も対応可
クレジットカード会社によっては、一括払いとして購入したものについて、リボ払いへの変更に対応している場合があります。
リボ払いのデメリット
次に、リボ払いのデメリットをご紹介します。主なデメリットは以下の3つです。
fa-thumbs-o-down利息(手数料)が必要
上記でも解説したように、リボ払いでは利用残高に応じて利息(手数料)が発生します。1回あたりの支払額を多く設定していれば、利用残高の減りも早いため利息(手数料)の負担も少なく済みます。
しかし、1回あたりの支払額を少なく設定していれば、支払期間が延びてなかなか利用残高が減らず、高い利息(手数料)が加算される期間も長くなってしまいます。
fa-thumbs-o-down支払総額が増える
リボ払いは、利用残高がある限り利息(手数料)が発生します。したがって、月々の負担額を減らすために支払回数を増やせば増やすほど、支払総額も増え続けてしまうのです。
fa-thumbs-o-down返済が長期化する恐れがある
リボ払いでは、利用件数や利用額に関わらず月々の支払額は一定となるため、利用残高がいくら残っているのかを把握しづらくなります。
リボ払いの注意点
リボ払いは、月々の返済額を一定に保つことができる便利な仕組みではありますが、利用する際にはいくつかの注意点があります。
ここからは、クレジットカードの作成から受け取り、利用に至るまでの注意点について解説していきましょう。
クレジットカード作成時
クレジットカードは、オンラインで自宅からでも簡単に申し込みができるほか、商業施設やスーパーの特設ブースでも申し込みが可能です。
その手軽さゆえ、リボ払いの仕組みや利息(手数料)などの知識がないまま軽い気持ちで申し込んでしまいがちです。
クレジットカード受け取り時
クレジットカードの審査に通過すると自宅にカードが届きます。カード会社やカードの種類により、有効期限や利用限度額は異なります。
クレジットカード利用時
クレジットカードを利用する際は現金でのやり取りがない分、つい使い過ぎてしまう人もいるでしょう。
特にリボ払いでの利用では、どれだけお金を使っても支払額は一定のため、利用残高を把握しづらいのが難点でもあります。
よって、便利な支払い方法だからといって無計画に利用することは控え、利用残高を把握しながら自己管理を心掛けましょう。
クレジットカード利用後
クレジットカードを利用した後は、必ず利用明細に目を通すことが大切です。利用明細は、クレジットカード会社から郵送されるケースが一般的ですが、ウェブサイトで確認できるサービスも増えてきています。
ところが、リボ払いは月々の返済額が一定だからと安心し、きちんと利用明細を確認しない人も多いのではないでしょうか。
したがって、たとえ月々の支払額を低く抑えていたとしても、あとどのくらい利用残高があるのかを把握し、リボ払いによる使いすぎには気を付けましょう。
リボ払いで借金が膨らんだ場合の対処法
リボ払いを繰り返し、いつまでも支払いの終わらない借金に苦しむ人もいるかもしれません。ここからは、リボ払いで借金が膨らんでしまった時のために、知っておきたい3つの対処法をご紹介します。
fa-database繰り上げ返済や一括返済をする
繰り上げ返済とは、月々の返済額よりも多く支払い、毎月の返済分に加えて利用残高の一部も返済する方法を指します。
fa-credit-card-altカードローンを活用する
リボ払いの利用残高を一括返済するために、低金利のカードローンを活用するのも一つの手。リボ払いの返済日に合わせてカードローンの借入を行い、全額を返済に充当すれば、利息(手数料)の負担もかかりません。
fa-pencil任意整理を検討する
繰り上げ返済や一括返済・カードローンの活用が難しい場合は、任意整理を検討するという方法もあります。任意整理とは、個人再生や自己破産と同じく債務整理の一つです。
裁判所を通さずにクレジットカード会社などと交渉し、返済可能な条件を決める手続きを指します。任意整理には、さまざまなメリットがあります。
-
- 借金の理由を問わず認可される
- クレジットカード会社からの催促を止められる
- 利息分がカットされ、元本のみの返済となる
- 車や住宅などの財産を手放す必要がない
- 保証人に迷惑がかからない
- 過払い金があれば払い過ぎた利息が返還される
- 家族や勤務先に知られにくい
任意整理はメリットが多くデメリットが少ないことから、選択する人が多いのも特徴です。
リボ払いの返済が苦しくなったら、弁護士への相談がおすすめ
リボ払いを繰り返してしまい返済が苦しくなった時は、弁護士への相談がおすすめです。弁護士への依頼には、以下のように主に4つのメリットがあります。
fa-clock-o手続きの手間が省ける
任意整理を含む債務整理の手続きには、クレジットカード会社との交渉や必要書類の準備・作成などの作業が必要です。自力で行うこともできますが、法律の専門知識や経験も要するため、一人で進めるのは容易いことではありません。
弁護士に依頼すれば、これらの作業をすべて代行してもらえるため、自分で複雑な手続きをする手間を省くことができます。
fa-handshake-o交渉力があり経験が豊富
クレジットカード会社との交渉は難易度が高く、交渉の経験がなければ自力では難しいもの。
交渉を誤れば不利な内容な条件での和解が成立してしまう恐れもあるため、交渉力があり経験が豊富な弁護士への依頼がおすすめなのです。
fa-money扱える金額に上限がない
法律の専門家には弁護士のほかに司法書士もいます。しかし、裁判などの代理人になれる認定司法書士が扱える金額は、1債権者につき140万円までというルールがあり、それ以上の高額な金額の取り扱いはできません。
それに対し弁護士には扱える金額に上限がないため、140万円以上の借金でも手続きを進めることが可能です。
fa-file-oほかの債務整理についての相談も可能
リボ払いの金額によっては、任意整理での解決が難しいケースもあるかもしれません。弁護士は、任意整理に限らずどんな債務整理でも手続きを行えるため、ほかの債務整理について相談したい場合にも心強い味方です。
まとめ
今回はリボ払とは何かわかりやすく、仕組みやメリット・デメリット、注意点などを解説しました。
リボ払いは便利な方法ではありますが、支払い方法や利息(手数料)などの知識をきちんと理解せずに利用すると、取り返しがつかないほど金額が膨らんでしまうこともあります。
リボ払いの支払いに行き詰まってしまった時は、弁護士への相談がおすすめです。勇気のいることかもしれませんが、早めの相談が借金返済の早期解決につながります。少しでも困ったら、ぜひ無料相談などを利用してみましょう。